その名を「養老天命反転地」というが、ここに行けば人間の天命が反転してしまうそうだ。
ここは世界的に有名なアーティスト、荒川修作氏とそのパートナーで詩人のマドリン・ギンズ氏の構想により作られた、非日常的な庭園。見渡す限りどこも奇妙な建物がそそり立ち、園内は全て斜面で構成されており、まともに落ち着ける場所はほとんどない。
もともとオフィスにされるはずだった建物にしても、中に入れば迷路のように入り組み、やはり地面は傾いており、現在は記念館としての役割を果たしている。
庭園はメインパビリオン「極限で似るものの家」と「楕円形のフィールド」の2つの部分から構成されている。「楕円形のフィールド」には、「極限で似るものの家」を分割した9つのパビリオンが点在し、さらに、対をなす丘とくぼみ、148もの曲がりくねった回遊路、大小さまざまな日本列島などがつくられている。ここでは、予想もつかなかった風景や懐かしい風景、いろいろな出来事に出会うことになるだろう。
足場が常に不安定なため、身の安全に注意が必要な場所ではあるが、ヘルメットやスニーカーの無料貸し出しや、警備員が注意を促してくれる。とはいえ、女性はスカートを避けて身軽な服装で行くべきだろう。
家族で行っても楽しい場所だが、男女で行けばデートスポットとしても最適。男性が女性を颯爽とリードすれば、恋の天命も好転するかも。
(川上三白眼 山口敏太郎事務所)