「サザエさん」のじゃんけんは1991年の秋に始まった。それまでは、サザエさんがお菓子を投げて口に入れ、喉につまらせる「んがぐぐ」とリアクションを取る投げ食いの場面が放送されていた。ただ、これに関して小児科医から「子供が真似して喉につまらせた場合、窒息死の危険がある」と指摘があり、さらに番組の影響か定かではないが、同様の行為による子供の死亡事故も発生している。そこでじゃんけんに差し替えられた。
この「サザエさんじゃんけん」に関しては、熱心なファンが多い。専用のホームページもいくつか存在し、過去の手の一覧のほか、次の手の予想、年月ごとのグーチョキパーの割合などがきちっとデータベース化されている。
また、このじゃんけんには、さまざまな都市伝説が存在する。最近ネットを騒がせたものとしては、「サザエさん」のエンディングにおいて、全員が家へ入った時に煙突から出る煙の形で、じゃんけんで何を出すかが決まっているなるものであった。煙が輪っかの場合はグー、ニョロニョロの場合はチョキ、煙がない場合はパーなるものである。ただ、これは根拠のないデマであった。それでも、もっともらしい話に聞こえてしまう。
さらに、サザエさんは毎回グーチョキパーのうち、右手に2枚、左手に1枚のプレートを持っている。この1枚プレートがそのまま出されるといった話もあるが、これも必ずしも当てはまるわけではない。いわば、初歩的なひっかけネタなのだろう。
シンプルながらも奥が深いのが「サザエさんじゃんけん」である。「サザエさん」は今年の秋で放送開始50周年を迎えるだけあり、今後も注目が集まりそうだ。