まず有名人とファンが交流できるトークアプリ『755』にて先月、ファンから「握手会にイケメンだと思った人はいますか?」という質問が来ると、ぱるるはハッキリと「いません」と断言。また「どーゆー男性に魅力感じる?」という質問に対しても「AKBに興味がない人に惹かれます」と答え、一部の熱狂的なファンを絶望の淵に叩き落したのである。この島崎遥香だからこそ許される塩対応スタイルが繰り出される限り、恋人を目指しAKBファンとして交流を図っても未来はない。ではファンとしてではなく、一般男性として近づくのはどうか。しかしこれも同じく『755』にて「(理想の男性は身長が)178センチ以上かなー」と厳しい条件を提示しているため、この時点で多くの男性は脱落する形となるだろう。
だがそんな鉄壁のぱるるに近づき、密着した唯一のテクニシャンがいる。それは昨年大ヒットしたゲーム『妖怪ウォッチ』のメインキャラクター・ジバニャンである。昨年の12月2日、ぱるるも声優を務めた『映画 妖怪ウォッチ 誕生の秘密だニャン!』の公開アフレコにて、ジバニャンは登場するやいなや、彼女に臆することなく密着し体をベタベタと触り始めたのだ。この衝撃的な会見映像はファンの間で話題となり、「ぱるる、ジバニャンにケツを触られる」とのタイトルでYouTubeにアップされると瞬く間に数十万アクセスを記録。つまりぱるると関係を深めたいのならば人間を辞めて、ジバニャンになるしかもう道はない。
なのでやることはまずジバニャンの着ぐるみを取り寄せ、装着。そして音声の問題だが、普段、ジバニャンの声は別の場所で声優がしゃべっているため、自分で用意するしかない。音声はパターンごとに予めアニメなどから抽出したものを録音しておき、備え付けたスピーカーからスイッチで「ニャーケービー!」「ひゃくれつ肉球〜!」などの音声を流せる仕様にすること。
もし着ぐるみを脱いでいる所をぱるるに見られたら即終了なので、トイレはオムツで済ませ、食料はふなっしーのようにチャックの間などから入れてもらい生き抜くこと。そこまできたらあとは、ぱるるをゴミ埋立地に呼び出そう。
そう、ここからは『トイストーリー3』のクライマックスのように、破棄寸前の人形になるべし。なぜならこの世に具現化されたキャラクター達は、一時期いくら愛されようとも、飽きられ、興味がなくなれば人間の身勝手さによって廃棄される。そんなキャラクター達の栄光と絶望の表裏一体となる思いを体現し、ぱるるの心へ訴えかけるのだ。なので彼女が工場にやってきたら、巨大な焼却炉へ向かうベルトコンベアーへ思い切ってダーーイヴ!
「うにゃぁぁー! ぱるるぅぅ! このままだとオレっち潰されて内臓がとびでるにゃぁぁぁーーん!!」
サンプルの音声がないのでここは地声で叫ぼう。この時のために普段からジバニャンのモノマネ練習はしておくこと。ここまで来れば塩対応のぱるるも、さすがに感情が揺さぶられ救出してくれるはず。回収後は責任を持って飼育してもらい、夢の共同生活が幕を開ける。
というわけで大切なのは妖怪になるという覚悟を決めること。世界で最も美しい顔の上位にも選ばれたぱるると一緒にいられるのだから。
(文・柴田慕伊)