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ヤクルト、バレンティン放出の裏事情発覚? 4億以上のコストカット、球団は来オフの「日米争奪戦」を加味したか

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山田哲人

 東京五輪が「キーワード」だった。

 東京ヤクルトスワローズの山田哲人内野手が、日本人選手としては球団史上最高額となる推定5億円で契約更改を行った(12月24日)。しかし、更改後の会見で明らかになったのは、2020年シーズン終了後の去就問題。複数の関係者によれば、球団は複数年契約を提示したが、山田が単年に強くこだわったという。順調に行けば、山田は来季中に、国内FA権を取得する。

 「(FA権の行使を)するかもしれないし、しないかもしれないし…」

 山田はあえて意味シンな言い方をし、記者団がざわつくのを楽しんでいるようだった。「(山田は)他球団の評価を聞いてみたいようだった」(関係者)なる証言もあった。残留と移籍、現時点ではその両方の情報が交錯している。まず、残留説だが、こちらは「すでに手は打ってある」という。

 「チーム最多年俸額(推定4億4000万円)のバレンティンを引き止めなかったのはそのためです。バレンティンは故障も多く、気まぐれな面もあって扱いにくい選手でしたが、9年間で288本も本塁打を放った優秀な助っ人。そのバレンティンの慰留を諦めたのは、山田の昇給に対応するため。その辺の事情は山田にも説明してあるし、誠意は十分に伝わっています」(球界関係者)

 山田の19年の成績は、打率2割7分1厘、本塁打35、打点98、盗塁33。4度目のトリプルスリーはならなかったが、来季達成の可能性は十分すぎるほどある。達成となれば、「年俸6億円」もあり得る。それに対応するためのバレンティン流出でもあったわけだが、正反対の意見も聞かれた。

 「山田の本心は国内移籍ではなく、メジャーリーグだと思います」(プロ野球解説者)

 確かに、山田はテレビ番組などでメジャー志望を口にしたことがある。しかし、前出の関係者によれば、ポスティングシステムを含めた正式な話し合いは一度も行われていなかったという。

 「山田は東京五輪出場を強く希望しています。メジャーリーグに移籍してしまえば、東京五輪には出場できないからです。メジャーリーグ機構は口では『協力する』と言っていますが、現役メジャーリーガーを派遣するための競技は一度も行っていません」(前出・同)

 2020年に「東京五輪」と「国内FA権取得」が重なる。FA権でのメジャーリーグ挑戦を目指すのであれば、さらに1年待たなければならない。

 「ヤクルト内部にも色々な意見があって、海外FA権を行使されての移籍だと球団には1円も入りません。『だったら、ポスティングシステムで売ってしまえ』と考える職員もいるわけです」(前出・関係者)

 山田はまだ去就を決めかねているのではないだろうか。

 そのためだろう。山田と球団の折衷案のような選択肢も検討されているそうだ。来季、山田が国内FA権を行使し、他球団の評価も聞くと決めた場合、球団は同時にポスティングシステムの手続きも行う。従って、山田は日米双方の球団との交渉も可能となる。山田はチームトップの年俸額選手になったので、国内FAでの移籍なら、「20年の年俸の80%+人的補償」が球団に保証される。海外移籍なら、2000万ドルまでの譲渡金が見込める。山田は他球団の評価を聞くことと海外移籍の夢の両方を叶えられ、ヤクルトは山田を喪失しても何かしらの見返りが望める、と。もちろん、19年オフの時点では「慰留」が最優先だが…。

 「14年オフ、オリックス時代の金子弌大投手(当時は千尋)が国内FAとポスティングシステムを“同時適用”しようとしました。金子の故障で実現しませんでしたが、ルール上では禁止にはなっていません」(ベテラン記者)

 4度目のトリプルスリー、いや、山田なら、NPB史上初となる「40−40」の達成も十分にあり得る(本塁打40、盗塁40)。山田が活躍したら、ヤクルトの慰留・説得も大変そうだが、前例のない日米争奪戦に発展しそうだ。(スポーツライター・飯山満)

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