事の発端となったのは、今月1日に行われた世田谷区が主催の国際マンガ交流イベント。山本氏は講師としての仕事を依頼されたというが、担当者の“M山”という人物が、ダブルブッキングした会場のキャンセル料を山本氏のギャラから差し引くという趣旨の発言をしたことや、そもそも山本氏のギャラが予算から場所代を引いたものだったことなどが発覚したことなどを山本氏が漫画を通して告発していた。
これを受け、3日に世田谷区長・保坂展人氏がツイッターで謝罪。担当課長も山本氏に直接会って謝罪すると発表したものの、この一連の出来事に憤った一部ネットユーザーが暴走。保坂氏に対し、「その職員は懲戒免職が必要です」「その担当者をクビにしてください」といった要望のほか、「責任を取って区長は辞職してください」「あなたにも任命責任がありますよ。早く辞職してください」と、区長に辞職要求をするネットユーザーも出現する事態になっている。
しかし、このネットユーザーの暴走について「区長を過剰に批判するのは間違ってる」「職員はもちろん間違ってるけど過剰な批判は目に余る」といった声が噴出。また、殺人事件の関係者とデマを書き込まれ10年間誹謗中傷を経験した、お笑い芸人のスマイリーキクチも4日にツイッターを更新し、この件について「漫画家の山本さほさんに対する世田谷区役所の職員の対応に憤りを感じる人がいます。僕も同じです」としつつ、「一部の過激化した人が職員の個人情報をネットに晒したり、役所に電凸しようとけしかけたりしています」とネットユーザーの暴走の実情について明らかに。さらに、「正義と暴力は紙一重です」と警告しつつ、「度を越せば業務妨害罪にもなります。どうか冷静な対応を。お願いします」とつづっていた。
思わぬ波紋を広げている世田谷区役所問題。事態の沈静化は見られるだろうか――。
記事内の引用について
スマイリーキクチ公式ツイッターより https://twitter.com/smiley_kikuchi