9月27日、新温泉町内に住む64歳の夫と63歳の妻は、知人が同町内で採ったキノコを譲り受け、翌日28日午後3時頃に自宅で炒めて食べた。約1時間後、嘔吐や下痢の症状が現れ、妻は一時入院したがすでに退院。2人とも快方に向かっているという。今月1日に夫が受診した鳥取市内の医療機関から連絡を受け、同事務所などが調査したところ、食べたキノコが「ツキヨタケ」と鑑定された。県や専門機関は「確実に判断できないキノコは食べたり人にあげたりしないでほしい」と注意喚起しているという。
この事件にネット上にはさまざまな声が寄せられている。「私もご近所さんにもらってバター炒めで食べちゃったことある。猛烈な吐き気がして食べたもの全部吐いて病院行った…本当苦しかった」「これもう殺人未遂になっちゃうよ。なんで知人は食べてないのかが気になる」「キノコあげるのは気を付けた方がいい。ベテランでも間違うことあるらしいからね」などの意見があった。
「ツキヨタケ」とは、ハラタケ目ホウライタケ科のツキヨタケ属に分類されるキノコの一種。日本では夏の終わりから秋にかけて全国各地の山林にごく普通に成育し、主にブナの枯れ木に群生している。「シイタケ」「ムキタケ」「ヒラタケ」などと間違えやすく、キノコの石づき(柄の部分)の中心部に黒褐色や暗紫色のシミがあるのが特徴。また、内閣府の期間「食品安全委員会」の公式サイトによると、ツキヨタケを食べた場合、下痢や嘔吐、腹痛といった消化器系障害型の中毒を起こすようだ。
毒キノコによる食中毒は毎年のようにニュースになっている。先月だけで少なくとも山梨県で1人、福島県で2人、茨城県で3人が食中毒になったことが確認されている。日本特用林産振興会によると、日本の毒キノコの種類は200種以上もあるという。とはいえ間違えやすいキノコは限られている。食中毒症状を起こすのは「ツキヨタケ」以外に、食用シメジ類と誤りやすい「クサウラベニタケ」、シイタケやマツタケに間違えやすい「カキシメジ」の3種類は混同しやすいようだ。
身近なところで手に入るキノコ。譲り受ける場合も、自分で採取する場合も食べる前には十分注意すべきと言えるだろう。