試合終了後、オグシオはホッと胸をなでおろした。
2回戦をストレートで突破し、迎えた日野由希江&小池温子(ともに広島ガス)との準々決勝。第1ゲーム、いきなり4連続失点すると、今大会初めて相手に11点を先に取られる。主導権を握ることなく第1ゲームを失った。
第2ゲームに突入しても、相手を突き放すことができず、20-20のデュース。追い込まれたが、意地で2ポイントを連取し、タイに持ち込んだ。
最終ゲームは地力に勝るオグシオが21-15で取り、セットカウント2-1で辛勝した。
逆転で勝利したオグシオは試合後、「今日は向こうが研究してました」(潮田)、「相手が私たちの球を読んでいる感じだった」(小椋)などと反省しきりだった。
オグシオは苦戦の原因を、相手に研究され「丸裸にされていた」と分析していたが果たしてそうだったのか。
広島ガスの宮本幸弘監督は、オグシオとの一戦の作戦について「来た球を弾き返していけ。強気のレシーブで踏み込んでいけ」と指示しただけだったことを明かした。また、対戦した小池も「いや、特に。思い切っていけとしか…」と語った。
いまいち調子の上がらない原因は、「潮田のテンション」にあるのでは、という声が漏れ聞こえてくる。
今大会限りでコンビを解消することになっているオグシオは、それぞれ先に見据える目標が違う。小椋は「ロンドン五輪」を目指すことを公言。今大会も4年後をにらんだ仕切り直しの一戦と、新たな気持ちで臨んでいる。だが、一方の潮田は現役続行を宣言したものの、いまだに明確な目標は見えていない。この試合でも、モチベーションの低さからか、サービスの反則を取られたり、ラケットを曲げてしまうなど精細を欠いた。
「潮田に集めてラリーを続けていけば、ミスが出てくるかも」と、潮田を“穴”と指摘する協会関係者もいる。潮田が集中砲火を浴び、大崩れしてしまう危険性が指摘される。5連覇に暗雲が垂れ込めてきた。
末綱聡子&前田美順の“スエマエ”ペアは、2回戦、準々決勝ともに2-0のストレート勝ちで準決勝に駒を進めた。