「グダグダうるせーから完全に潰す」。カリスマの腸は煮えくり返っていた。
7月7日の準々決勝でドラゴを撃破した後、リング上で佐藤との準決勝について「日本人対決、盛り上げます」と爽やかにアピールしていた魔裟斗。しかし、決戦まで5日をきったこの日のカリスマには、あのときファンの前でみせた平穏なムードはなかった。
怒りの理由はすべて佐藤の発言。前日の24日に公開練習した佐藤から「作戦通りにいったら完全に完封しちゃうかもしれないですね」「魔裟斗選手に勝って、自分がもうMAXを背負う準備もできています」などと挑発され、MAX不動のエースは黙ってはいられなかった。
まずは完封予告に「やれねーよ」と語気を荒げて、「オレはアイツが思っている上をいってるから」とピシャリ。そればかりか、魔裟斗撃破で世代交代することを宣告されたことには「アイツがMAXを背負う?器じゃねーよ」と鼻で笑い飛ばした。そればかりか「ってか、彼がオレに勝ったらK-1MAXは終わるんだよ」と一気にまくし立てた。
憤慨したカリスマの怒りは収まらない。「ホント蚊みたいにブンブンうるせー。いい加減グダグダうるせーから完全に潰してやりますよ」と佐藤を虫けら扱い。ついには「今までは(対戦相手に)何を言われても、闘って血がつくのが嫌だったから、言ったことなかった。でも今回は、もう血がついてもいいから殺(や)るよ」と血祭りにあげるとまで言ってのけた。
「佐藤なんか優勝までの通過点。グイグイ踏み潰して立ち上がれないようにしてやる」と準決勝決定後とは打って変わって殺気全開。公開練習では仮想佐藤として用意した同じジムのヘビー級戦士MASAOMIに豪打をさく裂させて圧倒するなど、今トーナメント大本命は心身ともにすでに臨戦態勢だ。