前哨戦のチューリップ賞は3着に終わった。しかし最もTRらしい試走で収穫を得たのがこのオディールだった。
「阪神JFで自分から動いて勝つ競馬をしてみた。それで伸び切れず4着だったから、前走はじっくり構えるつもりでいたんだ」と安藤勝騎手は振り返った。
それまで好位から結果を残してきたが、前走は思い切った後方待機策。エアパスカルが逃げ切ったように、馬場状態に展開も先行有利だったが、鋭い末脚でハナ+ハナ差の接戦に持ち込んだ。
しかも、当時は休み明けで良化途上。「返し馬からハミを取らず妙に落ち着いていた。いまひとつの状態だったように思う」。そこで繰り出した上がり3F33秒5の切れ味は桜花賞に向け、十分手応えのある結果だった。
中間は順調にきた。ひと叩きの上積みは大きく、きっちり本番仕様の馬体に仕上がった。
鞍上の安藤勝は一昨年がキストゥへヴン、昨年がダイワスカーレットと目下、桜花賞を2連勝中。コース形態が新しくなった後の新桜花賞男が狙うのはもちろん3連覇だ。
「前走の内容から自在に立ち回れると思うし、何より今年は混戦だからね。僕の乗り方ひとつでチャンスはあるはず」
前に行くか、控えるか。激戦になればなるほど、頼りになるのは瞬時にレース展開を判断できるベテランの手綱だ。
【最終追いVTR】3歳未勝利のブライティアダンスを1馬身追走。中間地点で馬体が合うと、手綱は抑えられたままで半馬身先着。気合乗り、馬体の張りともに抜群で文句なしの仕上がりだ。