長い歳月を経て打ちつける波の侵食でできた洞窟(どうくつ)。江ノ島駅前で必死に「ルイーダの酒場」を探したが見つけられなかった記者は、一人さびしくダンジョンに乗り込む。
500ゴールド、いや500円を払うと一本のロウソクを手渡された。これがたいまつというわけ。
真っ暗な洞窟内を頼りなさげな灯で進むのはRPG気分満点。道の横には多数の石像が並び怖いのなんの。途中、キラキラと宝石が輝く石像を発見。お宝箱だ! と手にしたいところだが、洞窟内の石像はどれも歴史的・民族的に大変貴重な文化遺産らしい。
ダンジョン内は敵が出てこないが、代わりにベッタリなカップルがわんさか。パーティーが組めない記者のさびしい心に誰かホイミを唱えてくれないか。
そうこうしているうちに、ついに洞窟の一番奥に近づいた。昔からダンジョンの最後に現れるのは竜と決まっているのだ。これぞ「ドラゴンクエスト」。さすがRPGダンジョンのいわれ、と思ったらあるはずの竜がない。
代わりにクリオネみたいなかわいいイルミネーションがちょこんと鎮座していた。
「2年ぶりに上陸した10月8日の台風18号で洞窟内が冠水し、入口から竜のオブジェまで全部波でやられちゃって、復旧作業なんです。すみません」とスタッフ。
RPG気分が楽しめる洞窟は、本当の“リアル・ダンジョン”だった。