同イベントの会場では「義体(サイボーグ)」、「電脳空間」、「光学迷彩」、「多脚思考戦車」など、同イベントテクノロジーをイメージした作品を展示。展示作品は、2015年10月から11月にかけて、東京・神戸・福岡で行われたコンテストの優秀作品で、同イベントで「最優秀 攻殻ハッカソン賞」と「最優秀 攻殻コンテスト賞」の2部門の最優秀賞を決定した。
「最優秀 攻殻ハッカソン賞」に選ばれたのは、Shiftの「身体防御スーツ(Cyber Protection Suit)」で、作中に登場するアームスーツなどを意識して制作された。担当者の話によると、エアーをスーツ内のポンプに流すことにより、防御力を高めるとことができるそうだ。また、常時エアーを流さなくても、突発的な事態が起きた場合、腕で頭をかばうなどの防御姿勢を取ると、自然とその部分に即時エアーが流れるようになっており、バットなどの、鈍器の攻撃程度は防げるとのこと。
「最優秀 攻殻コンテスト賞」には、横浜市立大学の小島伸彦研究室チームの作品「攻殻機動隊の義体を支える臓器設計技術」が選出。三次元細胞配列制御という技術を駆使して高機能な組織・臓器を作り出す臓器設計技術についての研究結果を発表していた。
また、作中に登場するような義体を意識した展示物もあり、株式会社メルティンMIMIが展示していた義手は、筋電位という筋肉を動かす時に生じる電圧を解析し、アームを、まるで本物の手のように動かすというものだった。
担当者の話によると、手のひらや指の細かい動きは、腕の部分の筋電位の伝達によるものだそうで、理論上は「肩から欠損しない限りは義手として使用できる」とのこと。今後はさらに研究を進めて、実際に義手として使用できることを目指すそうだ。
他にも電脳空間を意識した小型のディスプレイや、作中に登場する多脚思考戦車「タチコマ」をモチーフにした高齢者サポートデバイスなど、近未来を予感させる展示物が数多く公開されていた。(斎藤雅道)