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メジャーリーグ極秘情報 カブス・福留編 イチローの呪縛から逃れられず大不振

 シアトル・マリナーズのイチローに取り憑かれているのが、シカゴ・カブスの福留孝介だ。「イチローに長打力をプラスした選手」という、とんでもない評判で昨年カブス入りしたのに、不振が続いている。

 2年目の今季は8月こそ好調をキープしているが、打率2割7分7厘、11本塁打、45打点、盗塁6(20日現在)。日本球界からは「メジャーなどに行かず、巨人にFA移籍しておけばよかったのに」というシビアな声まで飛び出している。
 メジャー1年目の昨年、5番・右翼で出場した開幕戦で同点3ランを放つ華々しいデビュー。前半戦までは俊足、好打、強肩を披露し、イチローと共に球宴にもファン投票で出場した。だが、後半戦は徹底した内角攻めに急降下。結局、150試合に出場、打率2割5分7厘、10本塁打、58打点、盗塁12という、レギュラー失格の成績に、「もう福留を使う意味がない」と、ルー・ピネラ監督から最後通告まで受けた。
 それでも、今季もチャンスは与えられているが、失地回復できていない。4年総額4800万ドル(約53億円)という破格の条件で契約しているだけに、地元ファン、メディアから冷たい視線を向けられている。

 福留本人に罪があるわけではないが、イチローと比較されたおかげで最高級の待遇をされ、その反動で今は冷遇されるという、イチローの呪縛に苦しんでいる。監督がイチローがマリナーズ入りした時の監督であるピネラというのも、福留にとっては不幸だった。
 ナマのイチローを間近で見てきただけに、「イチローに長打力をプラスした選手」という評判に胸を躍らせていただろう。だが、実際の福留を見て落胆、ダメージを受けた。
 「福留本人は何が何でもメジャー挑戦ということではなかったんだ。最終的には巨人入りするのではないかと思っていた」というのは、中日OBの述懐だが、福留にとって結果的にアンラッキーだったのは06年の第1回WBCだった。韓国との準決勝で代打決勝2ランを放ち、奇跡の世界一達成のお膳立て。「福留孝介」の名前をメジャー球団に刻みつけた。
 本家のイチローは第1回大会で「イチロー君があんなに日の丸に対する熱い思いがあるとは知らなかった」と世界の王貞治監督を感動させ、大型CMを獲得。今回も大不振でスタメン外しの声まで起きたのに、韓国との決勝戦、最後の最後でのひと振りでヒーローの座を獲得している。
 WBCという世界の晴れ舞台をさらに飛躍する機会にしたイチローに対し、無名から一転して名前が売れ、本人も驚く破格の待遇のためにメジャー入りするしかなくなった福留。人生はどう転ぶかわからない。
 「PL学園の時にも巨人軍は福留選手をドラフト1位指名している縁がある。日本球界のためにも、福留選手はメジャーに渡さない。巨人軍が獲得する」。こう大見得を切った巨人は「ケタが違いすぎる。メジャーとのマネーゲームには参加しない」とあっさりと争奪戦から撤退している。
 今、巨人には強肩右翼手で、ここ一番でサヨナラホームランも打てる勝負強い5番の亀井義行が居る。福留を必要としていない。野球人生、一寸先はヤミだ。

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