ドリスは今シーズン「56登板・5勝4敗19セーブ・防御率2.11」といった成績をマークするなど、ブルペン陣の一角としてチームに貢献。しかし、報道によると、球団は制球面や守備面での不安を理由に、来シーズンの契約を見送る方針を固めたという。
2016年に阪神に入団したドリスは、今シーズンも含め4年間で「208登板・13勝18敗96セーブ・防御率2.49」と100に迫るセーブ数をマーク。また、37セーブを記録した2017年にはセ・リーグの最多セーブ投手に輝くなど、抑えとしての実績を積み重ねていた。
今回の一件を受け、ネット上の阪神ファンからは「4年間頑張ってくれてありがとう」、「今シーズンもよく投げてただけにもったいない」、「退団は残念だけど次の球団での活躍を祈りたい」といった惜別のコメントが多数。
同時に、「なんでドリス切るんだ、まだまだ使いどころはあるだろ」「本当にクビにする余裕ある?」、「球団は自軍のリリーフ事情を把握してないのか」など、球団に対する困惑や批判の声も数多く挙がっている。
「今シーズンの阪神で50試合以上に登板したリリーフ投手は、ドリス、ジョンソン、藤川球児、能見篤史、島本浩也、守屋功輝の6名ですが、ジョンソンはまだ残留が確定しておらず、藤川、能見はそれぞれ39歳、40歳と高齢。さらに、島本、守屋はまともに働いたのは今シーズンが初めてとそれぞれ不安要素を抱えています。もし彼らの計算が立たなくなった場合、来シーズンは台所事情が一気に苦しくなるかもしれません」(野球ライター)
報道通りにドリスが退団となれば、中継ぎ陣に一抹の不安が生じる阪神。そのため、ファンの間からは「日本人でも外国人でもいいから、代わりを務められるような投手を確保してほしい」といった戦力整備を求める声は根強い。
また、ドリスの退団理由については「去年みたいに交渉で揉めたからかも」、「ドリスを切る決断をしたのは、新助っ人の獲得に目途が立ったからなのでは?」という見方もある。昨オフのドリスは、条件面の開きにより阪神との残留交渉が難航し、一時は保留者名簿から外れ自由契約の身になるほど交渉が長期化していたが、2年連続の“銭闘”に球団側が愛想を尽かした可能性は否定できない。
なお、今オフの阪神は来シーズンの新外国人野手候補として、これまでにボーア(エンゼルス)、ロドリゲス(パドレス3A)、デュバル(ブレーブス)といった選手たちの名が取り沙汰されているが、こうした助っ人の獲得が近日中に発表されたとしてもおかしくはないのかもしれない。
文 / 柴田雅人