『週刊ポスト』(小学館)および同誌のウェブサイトである「NEWSポストセブン」が、前田のYouTube動画を取り上げ、1980年代には「週に何回もヤクザからの仕事をもらっていた」「1回のギャラは30~50万円。中には100万円の仕事も」「会社の仕事とヤクザの仕事の割合は4対6くらいだった」と闇営業の実態を暴露したのだ。これは、前田が吉本を通さず請け負った「直の営業」にあたるが、吉本も公認であったと述べている。
吉本の闇営業問題を巡っては、2011年に引退した島田紳助さんや、無名の若手芸人が薄給のギャラを暴露するなど、有名無名入り乱れての意見表明が相次いでいる。ただ、前田が登場した意味合いは、大きいと言えるだろう。
「前田は2009年に、吉本興業を契約解除となっていますが、これは同じ事務所の大物芸人である中田カウスへの脅迫状送付事件に関与していたと言われ、謹慎処分を下されたためです。中田はかねてから吉本の陰の実力者と言われ、何者かに金属バットで襲撃される被害にも遭っています。バッシング記事に反論するように、中田が週刊誌で吉本興業と暴力団の癒着を暴露するなど、泥沼の争いを繰り広げていました。この最中に送付されたのが脅迫状だったのです。筆跡が似ていたことから、前田が送付したと言われていますが、本人は否定。もともと、前田は『度の過ぎたいたずら』を好んでいたとも言われますが、真相は定かではありません」(業界関係者)
前田は吉本興業を相手取り、約1億円の損害賠償請求の裁判を起こすも、2013年に最高裁で敗訴が確定している。現在は芸人活動を継続しているが、前田にとって吉本興業は、複雑な感情を抱く古巣とも言えるだけに、今後も新たな反撃が生じるかもしれない。