海外ニュースサイト『NJ.com 』は、米・ニュージャージー州で、息子が学校でいじめに遭い、学校の対応に抗議した母親が、翌日、いじめ加害者の男子生徒から暴行を受けて大怪我をしたと6月25日に報じた。
同記事によると、18日、ニュージャージー州・パセーイク市に住むメキシコ移民である35歳の母親ベロニカ・ルイスさんは、市内の公立学校に通う12歳の息子から、「今日、学校で3人の生徒から『メキシコ人は、壁の向こうへ帰れ』といじめられ、暴力をふるうぞと脅された」と聞かされたそうだ。ベロニカさんはすぐに、学校側に抗議。その翌日、ベロニカさんが息子と一緒に通りを歩いていると、いじめ加害者のうちの1人である13歳の男子生徒が通りかかり、暴行を受けたという。ベロニカさんはその場で気を失い、眼窩(眼球の入っているくぼみ)を骨折する大怪我をして、2日間入院したそうだ。
暴行した生徒は停学処分を受けたそうだが、ベロニカさんの弁護士によれば、ベロニカさんの夫がこの事件をパセーイク市の市長に通報するまで、学校は何日間も加害者生徒に対し処分を行わずに黙認していたという。同弁護士は、学校の一連の対応は適切でなかったとして、訴訟を起こす準備をしているという。また同弁護士は、「いじめ被害に遭った少年は米国市民であり、両親は合法的に米国に滞在して働くことのできる就労ビザを取得していて、現在米国市民権を申請中である」と明かしているそうだ。
なお、事件の続報として、同ニュースサイトが26日に伝えたところによると、検察局は、暴行を働いた生徒を暴行の罪で25日に起訴したと発表したそうだ。
このニュースが世界に広がると、「息子と母親が気の毒すぎる」「母親の回復を祈っています」「いじめ加害者はただのいじめっ子ではなく、犯罪者だ」「加害者の両親も罪を償うべき 」「父親が市長に通報するまで何もしなかった学校の対応は許せない 」「学校側の不手際も罰せられるべきだな」「移民排除の政策が生んだ悲劇だ」といった声が寄せられた。
いじめは被害者の親だけではなく、加害者の親もまた、解決に向けて思い悩むことだろう。海外には、いじめ加害者の息子に対して、思い切った行動をした父親がいる。
海外ニュースサイト『Metro』は2018年3月、友達をいじめたとして、学校から「スクールバスに乗ることを禁止する」という罰を受けた息子に対して、父親がしつけとして「学校まで走って通わせた」と報じた。
同記事によると、アメリカに住む父親は、当時10歳の息子がスクールバスの中で友達をいじめたことで、3日間スクールバスに乗ることを禁止されたと知り、息子に罰として、学校までの約1マイル(約1.6km)の道のりを、走って通わせることにしたそうだ。父親は、息子が雨の中、学校まで走り続ける姿を、後ろから車で追いかけて動画撮影し、一連の動画をFacebookに投稿。 この父親の行動に対して「父親自身がいじめの加害者だ」と非難も受けたそうだが、父親は動画の中で「周囲の親たちに、このような子育ての方法もあることを伝えたかった」と語ったそうだ。
理不尽ないじめと暴行を受けた親子の精神的、身体的苦痛は計り知れない。
記事内の引用について
N.J. mom beaten unconscious by school bully who threatened her son in hate crime, lawyer says
https://www.nj.com/news/2019/06/nj-mom-beaten-unconscious-by-school-bully-who-threatened-her-son-in-hate-crime-lawyer-says.html
Lawyer for N.J. mom knocked out by school bully is filing a notice to sue the district this week
https://www.nj.com/news/2019/06/lawyer-nj-mom-knocked-out-by-school-bully-is-filing-a-notice-to-sue-the-district-this-week.html
Father defends forcing son to run to school for bullying while he drove alongside
https://metro.co.uk/2018/03/12/father-defends-forcing-son-run-school-bullying-drove-alongside-7379936/