戦5勝をあげているカレンブラックヒル。いよいよ今年は古馬マイル路線で猛威を振るいそうなムードがあっただけに当然の評価。しかし、最後の直線で先頭に立つも「マイル界のボスは俺だ!」と言わんばかりにグランプリボスが外から豪快に差し重賞5勝目をあげた。レース後、陣営は「まだ100の仕上げではない」とコメント。これで渾身の仕上げではないとなると大一番でもグランプリボスは侮れない。
一方、カレンブラックヒルは最後の最後で脚が止まって4着。原因は単純に58キロの斤量か、それともフェブラリーSの呪縛か。カレンブラックヒルの前走はダートGIのフェブラリーS。近年、芝のマイル路線からの参戦も珍しくはないが、いずれも好成績には結びついておらず、その後スランプに陥るケースがある。今回マイラーズCを勝利したグランプリボスは昨年のフェブラリーSに参戦し12着、その後マイラーズCは13着、京王SC7着と不振が続いた。また、2010年にフェブラリーSに参戦したレッドスパーダは12着に終わり、その後10か月戦線離脱という例も。フェブラリーSを使ったことでカレンブラックヒルに勢いが戻るまで、少し時間がかかってしまうのではないかと不安も残った一戦だった。
〈プロフィール〉近藤雄亮:キャリア3年目の若手放送作家。売れっ子作家ではないため安定した生活をするには競馬の成績がカギ。昨年度のおこづかい馬券の成績は回収率137%、プラス収支をキープ。Twitterのアカウントは「@minoru1202」。
写真:2011年「NHKマイルカップ」優勝時のグランプリボス