オルフェーヴルと同じく始動戦としては上々の結果を残したと言えるのはエイシンフラッシュ。4月末には海外GI、クイーンエリザベス2世カップを控えており、今回はそれに向けたテストランであった。クイーンエリザベス2世カップは昨年ルーラーシップが勝利したレース。ルーラーシップはオルフェーヴル、ゴールドシップ、ジェンティルドンナなど、出遅れ癖があるとはいえ、国内にワールドクラスの怪物たちさえいなければもっと勝てていたと思わせる馬だった。つまり、怪物相手にあと一歩の結果が残してきた馬ならば、香港での勝利が期待できるレベルにあるという考え方もできないか。となると、今回、得意の距離でありながらも怪物オルフェーヴルと叩き2戦目で臨んだショウナンマイティに屈し3着に終わったが、最近は叩き良化型の傾向があり、別定戦だったことを考えれば、ベストの状態なら香港Vは期待できると思っている。
また、エイシンフラッシュといえば、オルフェーヴルの一つ上の世代のダービー馬。同世代には、朝日杯・繰り上がりでジャパンカップを勝ったローズキングダム、皐月賞・有馬記念・ドバイWCを勝ったヴィクトワールピサ、明け4歳で天皇賞(春)を勝ったヒルノダムール、強烈な末脚をもつルーラーシップなど多彩な顔ぶれで「最強世代」と言われていた時期もあった。3・4歳時から古馬に混じりGI戦線を賑わした世代ももう6歳。引退した馬や衰えを感じさせる馬たちがいる中、ドバイに続き2度目となる海外挑戦。そして国内レースでは今もなお、有力馬の1頭であり続ける姿には頭が下がる思い。さすが最強世代のダービー馬だ。
〈プロフィール〉近藤雄亮:キャリア3年目の若手放送作家。売れっ子作家ではないため安定した生活をするには競馬の成績がカギ。昨年度のおこづかい馬券の成績は回収率137%、プラス収支をキープ。Twitterのアカウントは「@minoru1202」。
写真:第77回日本ダービー