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華やかさとは無縁のNYのカジノ

 カジノと言えばラスベガス、リノ、そして東海岸ではアトランティック・シティしかないと思っていたが、検索してみるとたくさんの州にカジノがある事がわかる。NYにも昨年11月にリゾーツ・ワールド・カジノ(Resorts World Casino New York)が鳴り物入りでオープンしている。さっそくどんなものかと訪れたみた。

 普通カジノと言えば「華やか」「エキサイティング」「夢がある」場所を思い浮かべるが、リゾーツ・ワールドはどれも当てはまらない。中国人の多いクイーンズという場所柄中国人客が非常に多い。そして圧倒的に中高年、はっきり言えば年寄りが多い。この時点で老人クラブの様相を呈して来る。

 立派な施設内にたくさんのスロットマシーンが並んで一見華やかだが、平日に行ったので客もまばらで入り口のセキュリティは客そっちのけで私語に余念がない。テンションは下がりっぱなしである。

 しかもよく見ると人間のディーラーがいない。ルーレットに賭けるにも機械が相手、しかも最低賭け金が10ドルとか15ドルと決まっており、ちびちびと賭ける楽しみがない。

 すべてがデジタルですべてがスピードアップされている。なるべく早くなるべく多額の金を非富裕層から巻き上げようという魂胆が見え見えなのだ。コインを入れてハンドルを引くというのんびりした時代はとっくに過ぎてしまった。

 かつて、アトランティックシティに行くバスはホテルがスポンサーとなって無料だった。ホテルに着くと、賭け金として使えるクーポンが20ドルほどプレゼントされたものだ。その気になればタダで遊んでこられる街だったのだが、昨今ではバス代も20ドルになり、今は35ドルだという。それでも一昨年にアトランティックシティに行った際には、登録してカードを作ると20ドルほどのクーポンが付与されたので、この時もお金を使いたくなければ使わなくても済んだのだ。そしてアルコール飲料は何杯飲んでも無料で、1ドルほどのチップで酔っぱらう事もできた。ホテルもあるし、ショッピングセンターもある。海も見える。アトランティックシティならかろうじて華やかさを感じる事ができたのだ。

 それが、リゾーツワールドでは無料なのはコーヒーやソーダのみ。水でさえ1ドル、カクテルは2ドル50する。25ドル使って初めて25ドル分のバウチャーが発券されるというシステムで、しかも使えるのは当日のみ。極めつけは食べ物のまずさ。ピザを食べたが、そのまずさだけは超一流。

 ヨンカースにもあるが、こちらは客層がかなりひどいから行かない方がいいと従業員がこっそり教えてくれた。

 アメリカというところはかつては消費者にとってお得な「ディール」がたくさんあったものだが、ホテルといい、航空会社といい、カジノといい、容赦なくお金を搾り取るシステムが確立しつつあるようだ。

 シャトルバスの運行もズサンで冬などは寒風が吹く中を待たされて風邪を引きかねない。滞在中、高額金獲得を告げる景気のいいベルの音は鳴り響かなかった。

(セリー真坂)

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