出演しているのは、品川庄司・品川祐とパンクブーブー。フリートークやツッコミワードの打点は高いが、なぜか視聴者受けが薄味の3人だ。品川は、映画監督や作家など、多芸多才な漫才師。パンブーは、『M-1グランプリ2009』と『THE MANZAI 2011』の2大メジャーコンテストを唯一制したコンビ。そんな3人が、徒弟制度を復活させるために、みずからが審査した2組を弟子として育て上げるというのが、番組コンセプトだ。
品川が選んだのは、元№1キャバ嬢+アメリカとのハーフ+毒舌派からなる女性トリオ・ぷらんくしょん。野球サークルで出会ったキャラ憑依型・ダンビラムーチョ。パンブーが選んだのは、名古屋の幼なじみ・テンチュー、元慶應ボーイの高学歴知能派・ストレッチーズだ。
まず、品川はオリジナルのツッコミワードを入れた、パンブーはボケ数を20個以上入れた新作漫才を作れと指示を出す。ここで1組が削られ、最終的には1組vs1組、品川vsパンブーの漫才代理戦争になる。ちなみに、“削られる”のは、NHK BSプレミアムで15年に放映された『爆笑ファクトリーハウス 笑けずり』、翌16年の『笑けずり シーズン2〜コント編〜』を踏襲したものだろう。
ネタ披露後、新たに品川は、ボケのキャラクターを生かした新作漫才を、パンブーは残り30秒でクライマックスがもっと盛り上がる漫才に練り直せと、次の課題を与える。猶予は2週間だ。
葛藤する若手芸人のために、品川はある夜、飲みの場をセッティングする。これ幸いと、ぷらんくしょんは「ネタを作ってるとき、はっきりモノを言えない」と悩みを打ち明ける。それに対して、「判断するのはお客さん。言わないじゃなくて、言えばいいだけの話」とシンプルで的確な答えを出す。それまでは、撮られていることを意識し、ナルシストな受け答えだった品川だが、この夜はアルコールが入っていたこともあり、素に近い。声の小ささが、それを物語った。ほんの少し、好感度が上がった瞬間だった。
ところが、それもつかの間。強者が現れた。トレンディエンジェル・たかしだ。ダンビラムーチョが舞台袖で座り込んでいると、たかしが歩み寄る。品川が師匠であることを聞いたたかしは、「(品川が言うことは)的確でしょ」と、まずは先輩を持ち上げた。しかし、「でも、品川さんは賞レースで結果出してない。結果出した人に教えてもらいたくない?」と、図星の暴投を放ってみせた。トレエンは『THE MANZAI 2014』で準優勝、『M-1グランプリ2015』で優勝した高実績保持者。品川をディスるに十分な要素がふんだんだ。
最終回は11月18日で、番組初の生放送。ダンビラムーチョvsストレッチーズに決定したが、品川は、二の句が継げない正論を後輩から吐かれているだけに、『笑あがき』ならぬ、悪あがきのほうが気になる…。