オールスター戦のファン投票といえば、昨年は広島東洋カープのファンが組織票に走り、セ・リーグの11枠中8枠を広島勢で占める異常事態となった。
今季の広島は開幕から低迷が続き、なかなか最下位から脱出できない状況。それでも、今年は地元・広島でゲームがあることもあって、広島ファンは組織票に走っているようだ。
第1回中間発表で、各ポジションのトップに立った広島勢は、黒田博樹(先発投手)、会沢翼(捕手)、新井貴浩(一塁手)、菊池涼介(二塁手)、丸佳浩(外野手)の5人。活躍している黒田、会沢、菊池の3人はいいとして、新井は規定打席不足、丸は打率.239と低調だ。
ただ、今年は首位を独走するDeNAベイスターズのファンも黙っていない。田中健二朗(中継ぎ投手)、山崎康晃(抑え投手)、アーロム・バルディリス(三塁手)、筒香嘉智(外野手)、梶谷隆幸(外野手)と、広島勢と同じ5人がトップに立った。広島と違うのは、この5人はしっかり結果を残しており、他球団のファンも異論をはさむ余地がない点だ。
残りの1枠は、阪神タイガースの鳥谷敬(遊撃手)で、第1戦が本拠で開催される読売巨人ジャイアンツからは1人もトップに立っていない。
昨年は組織票の影響で、規定打席に遠く及ばなかったキラ・カアイフエ(一塁手)、堂林翔太(三塁手)がファン投票で選出されてしまう事態に陥っている。
オールスター戦はまさに“夢の球宴”で、その名の通り、活躍しているスター選手が出るべきものだ。ファンには、“夢の球宴”にふさわしい選手への投票を望むばかりだ。
なお、ファン投票は6月20日で締め切られ、その最終結果は同26日に発表される。
(落合一郎)
*写真はグラビア界のカープ女子・菜乃花