そして、そんな「なろう系」は漫画業界にも派生しつつあるようだ。K-1の石井館長がトラックにはねられ、女子高生に転生するマンガ『どるから』(竹書房の近代漫画)が、5月30日より連載スタートした。原作のクレジットには石井和義氏の名がクレジットされていることから、ご本人が率先して漫画に携わっているらしいことが分かる。ネット上では「頭おかしい」「なんじゃこれ」といったツッコミで溢れかえっている。
また、6月9日から連載がスタートした『余命一年のAV女優』(小学館のモバMAN)は、癌で死んだ女の子が一年前に遡り、死ぬまでの1年の間に、AV女優として有名になって自分が生きてきた証を世に残そうとする話だ。これまた破天荒極まりなく、「なろう系」もついにここまできたかという感は否めない。こちらもネット上では「キ○ガイすぎる設定」「AV女優っていつから誇れる仕事になったんだよww」といったツッコミが渦巻いている。
こちらの漫画は、K-1の石井館長とは違い、フィクションという体裁を取っているものの、登場人物は、天月もゆだったり、成宮心菜だったりと、どこかで聞いたことがあるような名前ばかり。そして、彼女たちが所属するAVメーカーは、ピーチ・デマンドという名前らしい。
ネタ感が満載ではあるが、『どるから』も『余命一年のAV女優』も、ストーリーは意外にも硬派であり、しっかりと人間ドラマが描かれているのが作品の売りだ。また、ともにWEB連載の漫画であり、「近代漫画」と「モバMAN」のサイト内で読むことができるので、興味のある方はご覧いただきたい。
なお、AV漫画の作者は、90年代に少年マガジンで連載されていた『BOYS BE…』で一世を風靡した玉越博幸氏である。「AV業界のウンチクがいっぱいあって、見ると誰かに言いたくなります。笑いあり涙ありAVありと面白い作品になってるので見てください」(玉越氏のツイッターより)とのこと。
あの大ヒット作から20年以上の時を経ながらも、時代の最先端を走る大御所作家の新作に要注目だ。