福留はシーズン終盤の9月3日(日本時間4日)、ヤンキースから自由契約を通告された。その後、上記3球団が獲得の意向を示して接触したが、福留は「国内ならDeNA」と決意を固めつつあるという。
昨オフ、楽天を自由契約になった山崎武司内野手(43)、米メジャーのブレーブスとの3年契約が終了した川上憲伸投手(37)は、低年棒をのんで古巣の中日に復帰した。2人は年俸より将来、指導者として中日に残る“保証”を優先したといわれている。
中日は福留にも、将来の保証をちらつかせたようだが、福留の心には響かなかったようだ。DeNAは他の2球団を上回る2年総額3億円程度の条件提示をしたとみられ、最終的には“カネ”を選択したもようだ。
スポーツジャーリストのA氏は「福留はメジャー移籍後もオフには中日の施設を借りて練習しており、恩義もある。中日なら過去に一緒にプレーした選手も多く、すんなりチームに入っていけるでしょう。戻れば、引退後の保証も約束されたはず。ただ、プロとしての評価は金銭でもありますから、それを優先するのも当然のことでしょう。それと、奥さんが強く在京球団を希望しているともいわれ、それも決め手になったようです」と語る。
とはいえ、これで落着したわけではない。福留はあくまでもメジャー志向。今季はホワイトソックスで24試合に出場、41打数7安打4打点0本塁打、打率.171と低調で自由契約となった。移籍したヤンキースでは一度もメジャーに昇格できず、不慣れな一塁にも回された。今季、散々な成績に終わっただけに、リベンジの気持ちが強いという。
10月12日、家族の待つ米シカゴへ旅立った福留は「すぐに決まることはありません。クリスマスの頃には…。メジャーを待ちますから。そうすると、ウインターミーティング(12月初旬)でどう状況が動くかを見なければいけません」と話し、メジャーからオファーがあれば、そちらを優先する意向を明らかにした。
ただ、ここ数年の福留の成績を見ると、メジャー球団から、いいオファーが届く可能性は低く、その時は日本球界復帰を決断するようだ、福留は国内については、「条件があるとしたら、まずは外野。それも右翼(ライト)ができるとこと。それと僕を最も欲しいと言ってくれるチームでやりたいと思います」と語っている。
まだまだ長期戦になるため、現時点ではDeNAが優勢でも阪神、中日が新たな条件提示で巻き返すチャンスもある。福留争奪戦は年末まで予断を許さない情勢となりそうだ。
(落合一郎)