V逸しただけに、本来なら、チームの若返りを図りたいところだが、あえて時代に逆行。3人のベテランを、来季も戦力とみなした。
この3人が今季挙げた成績は山本昌が12試合に登板、64回1/3を投げ、2勝2敗、防御率3.08。10年ぶりに復帰した山崎は88試合出場、189打数39安打1本塁打13打点、打率.206と大きく期待を裏切った。4年ぶりにメジャーから帰還した川上は、わずか5試合の登板で、22回を投げ、2勝1敗、防御率3.27に終わっている。
勝ち星は2勝ながら、投球内容は光った山本昌はともかく、山崎と川上の残留には、年齢を考慮すると、疑問符も付くところ。大ベテランを残せば、その分、若手の出場機会を奪うことになってしまう。
中日は落合政権下(04〜11年)の8年間で4度リーグを制覇し、黄金時代を築いた。しかし、新陳代謝は全く進まず、レギュラーメンバーは高齢化。40代の谷繁元信捕手(41)、左翼の和田一浩外野手(40)を始め、トニ・ブランコ一塁手(31)、荒木雅博二塁手(35)、森野将彦三塁手(34)、井端弘和遊撃手(37)と30代以上がズラリ。20代は今季、中堅のレギュラーを確保した大島洋平外野手(26)、右翼を主に守った平田良介外野手(24)のみで、投手を除くスタメンの平均年齢は33.5歳と高いものだ。
さらに、中日はヤンキースから自由契約となったOBの福留孝介外野手(35)の獲得も明言している。福留の獲得に成功したら、右翼のレギュラーとして起用するのは確実で、平田と福留が入れ替わると、平均年齢は34.9歳と、さらに高くなる。
40代が実に4人。レギュラーメンバーの高齢化。若返りに逆行する中日は、“マスターズリーグ”とやゆされても仕方あるまい。
(落合一郎)