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麻生首相 “小泉追い落とし”に竹中取り込み

 麻生太郎首相(68)が竹中平蔵元経済財政相(57)に急接近をはかっている。20日から3日間の日程で開催する「経済有事対応のための緊急拡大会合(仮称)」のメンバーに竹中氏をリストアップ。小泉純一郎元首相(67)に公然と批判され、与党内で“麻生降ろし”の風速が強まる中、小泉氏の盟友である竹中氏を取り込む狙いが読める。逆襲なるか?

 首相の号令のもと官邸で開かれる同会合には、各界から総勢100人超の有識者らが集結。未曾有の経済危機を脱出するため、官民一体で景気対策を打ち出すという。
 すでに人選が進んでおり、大阪府の橋下徹知事ら政財界の人気者に交じって“敵参謀”竹中氏の名前が挙がっている。しかし首相は1日、東京・八重洲ブックセンターで本棚の「小泉純一郎と竹中平蔵の罪」(佐高信著、毎日新聞社刊)を指差しながら、取り巻きの番記者に「この本とか買ったらおもしろいんじゃない? 『麻生首相熟読』とか」とブラックジョークをかましたばかり。さすがに実行(購入)には移さなかったが、小泉&竹中コンビが現政権の反対勢力であることを公然と認めたに等しい。
 一方の竹中氏も、自身の公式ホームページの最新報告(2月24日付)の中で「日本の経済と政治はもはや最悪のコースをたどっています。誰も何にも責任を負わないような政治状況…。『百年に一度』なのはサブプライム問題より、むしろ日本の政治です」と政府を猛批判。
 精力的に各メディアに露出するなどして、小泉氏と歩調を合わせるように“麻生責め”の姿勢を鮮明にしている。

 そんな竹中氏になぜ首相は接近するのか? 永田町関係者は「小泉&竹中タッグの崩壊を狙っているのだろう」と次のように指摘する。
 「かつての盟友だろうと何だろうと、小泉氏は引退表明済み。そのうち表舞台には出なくなる。かたやメディアでコメンテーターとして発言している竹中氏にはまだ政財界での野望があり、自分を引き立てる新しい“ボス”が必要。首相は内心では竹中氏を相当憎んでいるはずだが、政権延命のためには小泉氏の発言力を徹底的に弱めなくてはならない。この際、竹中氏とは過去を水に流して“ウイン・ウイン”の関係を築こうというメッセージで、わかりやすい分断工作だ」
 同会合には、首相と与謝野馨財務相、河村建夫官房長官に加えてテーマごとに閣僚が参加する。ポスト麻生に名前の挙がっている舛添要一厚労相や石破茂農水相、野田聖子消費者行政担当相のほか、人気閣僚の小渕優子少子化担当相も出席する見込み。メンバーには経済界の重鎮や気鋭のエコノミスト、学識経験者がずらり顔をそろえる。
 前出の永田町関係者は「名前を挙げられた竹中氏がこれを断るのは難しい。小泉氏に義理立てをした場合、国民の目には“批判ばかりで行動しない小泉さんのお友達”と映ってしまう。仮に断ったとしてもそれはそれで小泉&竹中コンビのパワーダウンにつながり、自民党内の若手議員への影響力を抑える力学が働く」と解説する。
 3日間の会合はテーマごとに10前後のグループに分け、スピード感を重視して会議は各1回1時間程度のみ。景気回復に有効な手立てと判断されればその場で具体化策に取り組み、政策に反映させるという。竹中氏は初日20日の「金融」および「地方自治・経済」グループ入りが濃厚だ。
 首相は「従来の発想にとらわれないユニークな意見を求めたい」としており、政府方針に反する意見であっても耳を傾ける姿勢で臨む。竹中氏が小泉氏と同じく「笑っちゃうくらい、ただただあきれている」と述べ、カウンタープランをぶち上げる展開もあり得る。

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