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衝撃作『靖国』監督、尖閣諸島問題は「魚から学ぶべき」と持論を展開

 公開当時大きな話題となったドキュメンタリー映画『靖国 YASUKUNI』で知られる李纓(リ・イン)監督が、DVD-BOX「李纓監督BOX[事実≠真実]」発売にあたり、インタビューに応じてくれた。

 DVD-BOXには『靖国 YASUKUNI』のほか、日本に亡命した国民党の元将軍・96歳の老人・馬晋三の孤独な死を見つめたデビュー作『2H』、さまざまな問題を抱えたとある中国人一家に密着した『モナリザ』を収録。ドキュメンタリー作家李監督が歩んできた、これまでの軌跡を知ることができる。

 今回収録された作品に共通するのは、李監督ならではの独特な視点と感性だ。「目に見えるだけのドキュメンタリーでは真実を伝えることはできない」というスタンスを持つ李監督は「よく『この作品は中立的かどうか』と議論されるが、そういったこと自体間違っている。大切なのは、目に見えない何かを表現すること。観客に想像をゆだねる部分がないと、ただの真実を押し付けただけ。それは報道番組でやればいいことだ」と語る。

 中国人でありながら、映画『靖国 YASUKUNI』を製作するなど、国境を越えた活動も李監督のスタイルだ。しかし当の本人にとっては国境などに意味はないという。その考えが培われたのは人類学が大きく関係している。李監督は「人類学的から考えると、国境というものは人間をバラバラにしてしまう。国家意識は極めて近代的な概念で、今や誰も排除はできないが、国境は時代によって変化していくもの」とし、「重要なのは人類意識だ」と断言する。

 それでは現在日本と中国間で問題となっている尖閣諸島問題についてはどう考えているのだろうか? 李監督はその問題に意外なものを登場させる。それは“魚”だ。「尖閣諸島に生息する魚にとっては、尖閣諸島の水がどの国のものなのか関係ない。この問題を考えるときには国と国ではなく、地球と宇宙との意識が大切。世界各国で月の開発を行おうとしているが、月のこの部分がどこの国のもので、太陽の光のこの部分はどこの国のものといったようなことが必要になってくるだろうか?」。

 そんな李監督が次回作として準備しているのは、何と3D映画。ある金持ちの中国人社長に翼が生え、コントロールできずに翼に翻弄されてしまうという物語になるそうだ。李監督は「私の映画人生は日本でスタートし、日本からたくさんの栄養をもらって作品作りに生かしている。そのことを証明することができるのは、やはり作品。国境を越えた一人の人間の作品を、国の意識を忘れて、より多くの方々に観てほしい」としている。

 DVD-BOX「李纓監督BOX[事実≠真実]」は株式会社ティー・オーエンタテインメント
から10月29日発売(税込み:12,600円)

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