警察犬並みに鼻が利く花森一子(多部未華子)は、少女時代に警視総監の松田洋雄(伊東四朗)に刑事としての素質を見いだされ、憧れの刑事となり、さまざまなツワモノたちがいる警視庁捜査一課強行犯捜査第6班に配属される。男だらけの6班の中で、飛びぬけた天然ボケをかます一子は迷惑がられるが、持ち前の正義感と体当たりの捜査で難事件を解決していく。
渋くぶっきらぼうながら、ワンコ(一子)をやさしく見守る上司の小松原(吹越満・主演映画「冷たい熱帯魚」が公開中)、様々な人格を使い自白を強要する刑事・重村(沢村一樹)、笑わない刑事・和田(石塚英彦)、ぽっちゃり婦警の琴美(渡辺直美)を口説くバツイチ刑事・柳誠(大倉孝二)、若い先輩刑事・デューク・タナカ(水上剣星)と桐島竜太(手越祐也・NEWS)といった、第6班の個性的なレギュラー刑事陣が抜群。彼らによる『太陽にほえろ!』の曲に恥じぬアクションも見ごたえアリ。だけど突然、多部の一子が警察犬と“臭覚対決”とかしてノリはまるで「世界の果てまでイッテQ!」のイモトアヤコ。小学生にも人気ありそうだし「明日の夜も日テレで」みたいな宣伝効果を狙ってるのかも。
考えている事が無意識に口をつき、ハデな見た目が浮世離れした一子を演じる多部未華子。ふわふわスカートのゴスロリファッションなのに、なぜかちっとも女子らしくない上、ヘン顔の方がしっくりくるのも彼女の特徴かしら。顔だけ見てたら美形の手越の方がよっぽどヒロインっぽいと思うわ。その他甘辛兼ね備えたキャストといい、ずっこけたセリフといい、まったくもって多部の使い方を心得たドラマ。なんかマンガっぽいと思ったら、やっぱり『ごくせん』を描いた森本梢子先生の漫画が原作。この先、まっすぐでまだまだ青い一子や桐島が、オジサン刑事たちに揉まれてどれだけ成長できるか、それが見どころでもあり、シリーズ化のカギでもあるのね。(チャッピー)