『Road to DESTRUCTION』
▽5日 東京・後楽園ホール 観衆1,538人
IWGPインターコンチネンタル王者の内藤哲也と、ジェイ・ホワイトが前哨戦で火花を散らした。
2人は22日に兵庫・神戸ワールド記念ホールで開催される今シリーズ3大ビッグマッチのラストを飾る『DESTRUCTION in KOBE』のメインイベントで、IWGPインターコンチネンタル選手権試合を戦う。後楽園ホール大会3連戦2日目のメインイベントでは、内藤がEVILとロスインゴタッグを結成。ジェイ&バッドラック・ファレのバレットクラブ最強タッグと対戦した。
内藤とジェイが対峙して試合開始のゴングが鳴ると、ジェイは珍しくロックアップからスタートさせるクリーンファイト。しかしこれは罠。すぐにセコンドについていたマネージャーの外道が介入する。
ジェイのラフ殺法とファレのスーパーヘビー級のパワー殺法を前に押されまくっていたロスインゴタッグだったが、内藤はレフェリーを失神させた際にリングに乱入した外道を排除すると、ジェイにイス攻撃を食らうもEVILがイス攻撃で救出。すると内藤はコリエンド式デスティーノでジェイを場外に排除。EVILは試合の権利があったファレにもイス攻撃をお見舞いして、内藤が正調デスティーノを見事にヒットさせた。意識が戻ったレフェリーがカウント3を入れて、ロスインゴタッグがバレットクラブ最強タッグを撃破した。ジェイ&ファレはオカダ・カズチカ&棚橋弘至のドリームタッグでも勝てなかった相手。内藤がタイトルマッチに向けて弾みをつけた。
しかし、内藤の思いはタイトルマッチの先にあることが試合後に判明する。
「新日本プロレス、早急に回答をいただきたい。来年の東京ドーム大会で、IWGPインターコンチネンタル王座とIWGPヘビー級王座のダブルタイトルマッチを果たして開催するのか?開催しないのか?もし開催しないのであれば俺はこのIWGPインターコンチネンタル王座を保持したまま挑戦権利証を狙いにいきます!普段は『トランキーロ、あっせんなよ』と言ってますが、ダブルタイトルマッチへの機運が高まっている現状、今回は“NO”トランキーロ!焦った方がいいぜ」
試合後、内藤は新日本プロレスに対して“正論”を要求した。現在、明確にIWGP2大王座同時戴冠を目指しているのは、内藤と、『G1クライマックス29』覇者で、1.4東京ドーム・IWGPヘビー級王座への挑戦権利証を持つ飯伏幸太、そして22日に内藤に挑戦するジェイの3選手だ。新日本に1.4、1.5ダブルドームで連載挑戦を表明した飯伏は、最初に2大王座戴冠を表明した内藤を「意識した」とも話しており、それを受けた内藤の発言が注目されていた。
飯伏は18日に鹿児島アリーナのビッグマッチ『DESTRUCTION in KAGOSHIMA』で、KENTAと権利証の防衛戦を行う。防衛した場合、次の挑戦が有力なのは、G1で飯伏に勝っているEVILだ。EVILは試合後に「オレの欲しいモノはIWGPだ!」と話しており『キング・オブ・プロレスリング』10.14東京・両国国技館大会でオカダのIWGPヘビー級王座に挑戦するSANADAも含め、ロスインゴ内で同じ目標を掲げるのが3選手いる状況となった。
これに対して内藤は「それぞれが上を目指すのはいいこと。目標が被るのであれば俺と闘えばいい」と、同門で切磋琢磨する現状を歓迎する考えを示している。結果的にロス・インゴベルナブレス・デ・ハポン全体の力が底上げされるのだから、当然のことかもしれない。
内藤の“正論”要求に対して、新日本はどのような回答をするのか。ダブルドームのメインイベントに向けて一気に動きがありそうだ。
(どら増田)