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永田町血風録 総選挙へ麻生首相のゴーサイン待ち

 西松建設のあの“事件”がこのところ静かになったこともあり、民主党は息を吹き返してきている。

 「みんな一緒になって頑張ろう、という声が起きている。しかも、自民党が提出する景気対策の経済法案はまったくばらまきだけ…」
 民主党代表・小沢一郎が全国行脚でこう言えば、党の主な幹部は「至極ごもっとも、民主党に対して逆に応援メッセージが多く届いている」と、すっかり元気になり、そして「さあ、選挙がくるぞ!」と手綱を締め始めた。
 確かに小沢が動くことで、地方も同じように動き始めた。「早く民主党としてのマニフェストを作って出してほしい」の声も出ている。
 幹事長・鳩山由紀夫らの幹部は、巷(ちまた)での民主党に対する声援の大きさを十分すぎるほど肌身に感じているはずだ。
 「しかし、それで気をよくしてはいけないのです。まだ代表・小沢の西松建設事件の説明責任が果たされていないこと。これは、やはり民主党に対して国民が全幅の信頼というか、信用をしていないのは否めません」(鳩山由紀夫)

 副代表・石井一も「やはり小沢の説明が不十分なのは、わだかまりとして残っている。これは総選挙になったら、マイナスな面となってくる」と、かつての盟友だけに気がかりでならない、と言った口ぶりである。
 首相・麻生太郎の今のはしゃぎようは、自民党に風が吹き始めたことに気をよくしてのものである。だが、そのはしゃぎぶりに危惧(きぐ)を抱く声も聞こえてきている。
 「さあ、選挙だ、というわけにはいかないのだ。麻生にとって、やはり総選挙という行事は、ひとつ間違えれば、自分の首を絞めることになる。そして、もうひとつは友党・公明党のお家の事情からこちらのご意見も聞かずに選挙というわけにはいかないからだ。だから少し風向きがよくなったからといって、有頂天になってはいられないよ」(政界アナリスト)
 官房長官・河村建夫は、とくに総選挙になると「公明党のお家の事情をよく考えてから事を起こさないと、公明党に申し訳ないことにもなりかねない」と、しきりに公明党を気にしている。
 ただ、民主党も与党もいつ総選挙になってもいい、そういう準備に入っていることは事実である。
 「公明党が8月に総選挙だ、としきりに喧伝(けんでん)している。あれってどういうこと? 麻生と公明党との間で“密約”でもあるのかな」と野党の方では訝(いぶか)しむ見方もあるようだ。
 なにはともあれ、永田町は総選挙に向けて大きな動きとなってきている。その動きも、それぞれの政党に思惑があり、とにかく麻生の“総選挙ゴー”のサインというか“号令”がいつ出るか、それを待っているのは確かだ。
 いつ麻生が、総選挙だ、というかわからない。与党も野党も、この“待ち時間”を活用して、少しでも選挙にプラスになるよう、動きはさらに拍車がかかってきている。(文中敬称略)

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