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金本阪神が甲子園で3連敗! フロント要人がナゾの二軍戦視察

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阪神甲子園球場

 怒りは、頂点に達していた。本拠地・甲子園球場で巨人に3タテを食らった金本知憲監督(50)はゲームセットの瞬間、唇を震わせていたという(4月22日)。ベンチから引き返す際、報道陣に囲まれ、ワンサイドとなった展開についてこうまくし立てた。
「選手が悔しい気持ちを持っているか、そこが一番の問題。持っていない選手は使えないと思うし。淡々と終わっているようじゃ使えません。いらないし、そういう選手は」
 もう一度、「淡々と流れに身を任せてしまうのがウチの悪いところだから」と言い直した。本当に怒っていた。近寄りがたい雰囲気だった。

「明日(同23日)の予定が変更になりました。投手陣だけの軽めの練習が行われる予定だったんですが、全体練習に変更されました。みっちり、(猛練習を)やるんじゃないですかね」(チーム関係者)
 守備のミスも重なった。この3タテで勝率も5割を切り、早めに手を打っておこうということなのだろう。

 気になる情報も交錯していた。同19日、坂井信也オーナーが抜き打ちで二軍戦を視察していた。先の関係者によれば、オーナーは11時過ぎに突然、「今から行く」と、本社での午後のスケジュールを変更し、二軍戦の行われている鳴尾浜球場にハイヤーを向かわせたそうだ。
「二軍首脳陣に連絡が入り、スタッフが出迎えました。到着したとき、試合は始まっていましたので、選手たちはオーナーの訪問に気づかなかったと思う」(同)
 二軍も勝率があまり良くない。ウエスタンリーグ5球団中4位、もっとも二軍は育成の場であり、勝敗よりも内容が重視される。オーナーは矢野燿大二軍監督(49)と会談の場を持ったわけではない。試合終了後、そのまま引き上げたという。
 本社でも要職に就いている以上、気まぐれでの野球観戦はできない。“突然訪問”には何かしらの目的もあったはずだ。

「阪神二軍は『記録』を作るかもしれません。25試合で42盗塁という、驚異的な機動力を発揮しているんです。一軍の盗塁数は17試合で1。矢野二軍監督が選手に積極性を植えつけようとしており、1つ先の塁を常に狙うよう指示しています」(プロ野球解説者)
「走塁」といえば、3タテを食らった22日、こんなシーンも見られた。初回の阪神の攻撃だった。2アウトながら2人の走者を置いた場面で、5番福留がライト前ヒットを放った。試合には敗れたが、先に点を挙げたのは阪神の方だった。だがそのとき、一塁ベース上で福留は前打者で二塁に到達していたロサリオと目を合わせるなり、三塁ベースのほうを指さした。「なんで、三塁まで進まないんだ?」の“抗議”である。
 一塁走者だったロサリオは決して足は速くないが、走れないタイプではない。長打力のある福留を迎えて、巨人外野陣は後方に守備位置を変えていた。福留の打球は一・二塁間をゴロで破っている。右翼手は通常よりも後ろでボールを捕っているので、「鈍足ランナーでも三塁まで進める」というのが福留の指摘だ。走ることを徹底された二軍とは大違いである。もっとも、記録上は誰のミスにもならないが…。

 オーナーの二軍訪問の目的は、金本監督と一軍選手に「怒り」を伝えるためだったのではないだろうか。

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