「気付けば周りの友達がどんどん結婚していき、少し焦ってきたことで、婚活のためマッチングアプリを始めました。その際、男性のプロフィールで選ぶのは、やっぱり年収ですよね。どれだけ顔がカッコよくても、年収の低い人はNG。こちらは結婚を考えているので、高いに越したことはないです」
そんな加奈さんは、年収1000万以上の男性のみを条件に、男性と出会っていったという。しかしその際、ドン引きする出来事が起きたという。
「プロフィールで年収が高かった男と会った時のこと。彼は、最初から『将来のことを考えたい』『自分は会社の役員だから安定した生活が送れるよ』と真剣に向き合ってくれました。それが嬉しくて、2軒目のお店を出た後にホテルへ行ってしまったんです。当時は、高い年収の人と結婚出来るならと焦ってしまった。でもそれは間違いでした。それから何度か会ったのですが、年収が高いわりには、いつも安い居酒屋で会ってホテルへ行くだけ。将来に関しても、その場しのぎのことを言うばかりなのです」
そんな彼を疑問に思った彼女は、彼の本名からSNSを使って身元を調べたという。
「彼のフェイスブックを見つけ、その友達のSNSをさらに探っていったら、彼は企業の役員でもなんでもなく、ただのカラオケのバイト店員だということがわかりました。その瞬間、私は嘘の年収で釣られていたと気付き、彼の行動にドン引きしました。以降、LINEなどの連絡手段はすべてブロックし、会っていません。でも妥協はしたくないんで、これからも年収の高い男は探し続けますよ」
有料婚活サイト等ならば、年収の証明書が必要な場合もあるが、マッチングアプリは基本的に自己申告である。そのため大幅に金額を盛って女性を釣る男性は多く、加奈さんのような被害に遭ってしまう女性もいるようだ。
取材/構成・篠田エレナ
写真・401(K) 2013