現場はJR秋葉原駅から約100メートル、昨年6月に無差別殺傷事件があった中央通り交差点のすぐそば。東京消防庁の消防隊約60隊が出動。道路脇を消防・救急車計50台以上がびっしり埋め、歩道はヤジ馬であふれ返って騒然とした。
同庁によると、火災があったのは23日午後2時45分ごろ。建設現場の地下1階で作業員が溶接作業中、火の粉が近くの発泡スチロールに飛んで引火した。煙を吸い込んだ26〜59歳の男性作業員9人が搬送された。
目撃者によると、出火当時はあたり一面に黒煙がもくもくと立ち込め、ちょっとしたパニック状態だったという。上空を舞う報道のヘリコプターなどが異変発生場所を教えるかたちになり、ビル周辺はあっという間に人だかり。昨年の殺傷事件現場に近かったため、煙がおさまってからも報道陣に「なにがあったんですか?」と逆取材する通行人があとを絶たなかった。
しかし、先の事件でのヤジ馬批判を受け止めてか、携帯カメラで露骨に“記念撮影”する輩は少なかった。
現場近くのショップ関係者は「一時は煙がすごかったのでシャッターを30分ほど閉めた。この騒ぎだから開けてからもしばらくは開店休業状態だった。けが人も少なく、大事に至らなくてよかったよね」と安堵の表情をみせた。