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動画だけだともったいない!海外受賞歴もある「が〜まるちょば」、世界中でなぜウケる?

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が〜まるちょば・ケッチ!、HIRO-PON

 赤いモヒカンのケッチ! と黄色いモヒカンのHIRO-PONによる、言葉を一切用いないサイレント・コメディーデュオ「が〜まるちょば」が全国ツアーに臨む。東京・新国立劇場など、国内23カ所を舞台に『が〜まるちょば サイレントコメディー JAPAN TOUR 2018』を7月12日から開催する。

 2人はパントマイムを主体とした芸が特徴。スコットランドの芸術祭「エディンバラ・フェスティバル・フリンジ」でダブルアクトアワードを受賞(2004、05年)するなど、世界に認められた実力の持ち主。今年8月1日〜18日に行われる同芸術祭での公演も決定している。今回はそんな2人を直撃し、全国ツアー前に意気込みを聞いた。

—— お二人の舞台はまだ見たことがないのですが、YouTubeで動画を見ました。すごく面白いし、プロの芸だなと感じました。

HIRO-PON:ありがとうございます。でも、YouTubeとか動画サイトで配信されているものは僕らのパフォーマンスの氷山の一角でしかないんです。劇場でやることの最初の10分くらいの内容。舞台では前半と後半に分け、後半はひとつのストーリーを、言葉を使わずに面白く演じています。

ケッチ!:基本的に、劇場でやっているものは動画サイトには一切出さないんです。動画を見て劇場に来てくれた方は、僕らのパフォーマンスを見て「いい意味で裏切られた」と言ってくれます。舞台ならではの工夫がたくさん詰まった内容になっているんです。

—— ジャンルとしては「サイレントコメディー」と名乗っていますが、具体的にどんなパフォーマンスが見られるのでしょうか?

HIRO-PON:基本はパントマイムなんですよ。だけどパントマイムには固定観念がある。「そういうものをやるなら見に行かない」という人も多くて。お客さんの固定観念のために、僕らを見る機会がなくなってしまうのは極力避けたい。だから「サイレントコメディー」と名乗っているんです。

ケッチ!:言葉を使わないのが僕らの強み。世界中でやっていける。これまでに36カ国くらいでパフォーマンスをしてきたんです。劇場では喋らずに具体的なお芝居を1時間くらいでやったりします。出演者は2人しかいないのに登場人物は8人とか。僕らがカツラを変えたり衣装を変えたりして、それを言葉なしで演じるんです。

HIRO-PON:言葉を使わず、しかもそれで笑える内容なんです。ダンスなら言葉を使わずにお客さんを感動させられる人はたくさんいるでしょうけど。コメディで言葉を使わず、ストーリーを演じて笑いが生まれ、心が動くというのはなかなかないと思います。

—— ちなみにお二人のモヒカンですが、この色分けには何か意味があるんですか?

ケッチ!:たまたまです。HIRO-PONが先に黄色にしちゃったんで、同じにすると見分けがつかなくなる。それで僕は赤色にしたんです。

HIRO-PON:海外でもパフォーマンスをするので、ビジュアルで目立つことはすごく大事だと知っています。僕はパンクロックが好きだった。それも影響してモヒカンでパフォーマンスをするようになったんです。舞台でも、最初にモヒカン姿でパフォーマンスをして、その後に、作品をやるスタイルです。それを結成からもう19年続けているんです。

—— 結成のきっかけは何だったのですか?

HIRO-PON:19年前は2人ともソロでやっていたんです。でも、ケッチ! が僕に「一緒にやらないか?」と声をかけてくれたんです。2人でやると劇場を借りるお金が半分になるし、お客さんが倍になるし、いいことづくめじゃない?って。

ケッチ!:僕は「パントマイムをやるなら一人でやりたい」という思いがあったので、最初は断っていたんですけど。熱心に誘ってくれて、じゃあ2人でやるなら2人でしかできないものを作ってやろうと思った。「それならやりますよ」ってスタートさせました。やり始めて改めて、2人でやることのメリットに気付きました。「1+1は2」じゃなくて、「3」にも「4」にもなるんだって思いましたね。

—— ネタはどうやって作っているんですか?

HIRO-PON:最初に僕が作って、その「原石」を2人で磨いていく作業をするんです。

—— サイレントで2時間。お客さんを飽きさせないようにするのは大変なのでは?

HIRO-PON:舞台では、間合いにも気を配ります。毎日間合いが変わっていきます。

ケッチ!:よく、音楽をバックで流して…みたいなスタイルの人もいますけど、それだったら「テレビ見ればいいんじゃない?」って気持ちになる。僕らの場合は音響さんと話し合って、心情に合わせて音を操作してもらったり、工夫しているんです。

—— 今回は23カ所を回る全国ツアー。行ったことのない地域はあるんですか?

ケッチ!:茅ヶ崎は初めてです。あとは行ったことのある地域ばかりです。

—— 全国区だと、どのエリアの反響が一番いいんですか?

ケッチ!:反響でいうと大阪が群を抜いていますね。いつも楽しくやらせてもらっています。

HIRO-PON:大阪は僕らがいい意味で「日本の異国」と呼んでいる場所です(笑)

ケッチ!:大阪は、笑いの偏差値がとても高い地域なんです。あと、大阪の人は言葉の芸に対しては辛口なようなんですが、僕らが言葉を使わないせいか、いつも温かく迎えてくれて(笑)。最近は大阪でやると、大阪近隣の人まで来てくれるようになった。本当にうれしいです。

HIRO-PON:僕らのことを知るには舞台に来てもらわないと分かりません。今回のツアーをきっかけに、まだ僕らの舞台を見たことがない人にぜひ遊びにきてほしいですね。僕たちのステージを体感してもらいたいです。劇場でお待ちしています。
(取材・文:名鹿祥史)

<が〜まるちょばプロフィール>
ケッチ!(赤色モヒカン)
出身地:伊豆半島 趣味:ぶらり世界旅(今のところ54ヶ国) 特技:インチキ利き酒
HIRO-PON(黄色モヒカン)
出身地:埼玉県春日部市 趣味:オートバイ、革ジャン、ロック 特技:聞き間違い

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