同級10位の熊と5度目の防衛戦に臨む内藤。直前で中国・上海での興行が中止になり、開催地が東京に変更、異例のワンマッチ興行になるなどゴタゴタに巻き込まれた。
トラブル発生にコンディションが懸念されるが、「もう(気持ちを)切り替えるようにしました。いろいろバタバタがあったけど、試合では全力を出し合っていい試合がしたい」とキッパリ。必勝を誓った。
計量もリミット一杯の50.8キロでパス。最年長防衛記録更新に向けて万全の態勢を整えた。直前に会場が変更になり、移動の負担がなくなったこと含めると王者が圧倒的優位に思えるが、そうでもない。
「僕に関しては問題ないですけど、昨日とか『チケットを取って』って直接、僕自身のところにすごい量のメールが来ちゃってさ」と代替開催の影響が及んでいることを明かした。
事務所を紹介し、その場はなんとか切り抜けたが「最初は勘弁してくれよ、と思っていた」と本音をポツリ。試合2日前になって内藤自身が“上海ショック”の余波を受けているのだ。
さらに内藤は身長で12.5センチ、リーチで14.5センチと大きく上回っているが「あのぐらい身長だと逆に低すぎてびっくり。(パンチが)当たんないかもしれない」と警戒心を強めた。
内藤はマッチョポーズで筋肉を誇示してみせたが、逆に挑戦者から片手腕立てを見せつけられた。そのパワーを目の当たりにし「もういいよ」と白旗を上げた。
上海ショックに加え、肉体美対決でも不覚を取り、精神的に追い詰められている内藤。本来は1階級下の相手に、試合では王者の意地を見せつけることができるか。
◎熊ベルト奪取宣言
挑戦者の熊朝忠もリミット一杯でパス。王者としての凱旋を誓った。
24日に急きょ来日した熊は「(アウェーは)いい経験になる。世界タイトルに挑戦できるだけで、言葉にならないくらいうれしい。世界チャンピオンになるのは子供の頃からの夢だった」と目を輝かせた。
実家が農家でバナナ採りや炭鉱労働などで力をつけたという挑戦者は「僕はパンチをよけるのがうまい。(内藤のパンチを)よけて(自分が)パンチを出していきたい。(母国に)いいニュースを持って帰りたい」と世界一の土産を持って帰ることを約束。「単純に僕の方が若い」と挑発していた。
なお、この日は北京五輪バンタム級金メダリストのバダルウーガン・エンクバット(モンゴル)がJBCを表敬訪問した。
「日本では白鵬、朝青龍が相撲で活躍している。私も高い目標をもってやれば必ず(世界王者になるという目標を)達成できる」と見据えていた。