今月、北海道警がニセ警官の電話音声を公開した。70代女性に“カネムラ”を名乗る人物が電話で不正送金の疑いがあると言ってきた。女性は身に覚えがなく、カネムラは現金を払えば犯罪者ではなくなると現金を要求してきた。彼は女性の自宅に向かう“カワグチ”にお金を渡すよう指示、他の警察や金融機関に話さないよう口止めもしていた。女性の自宅に来た男はニセの警察手帳を持っており、その場で現行犯逮捕された。
MCの宮根誠司は「警察と言われるとドキッとするしパニクる人も多い」と言い、ジャーナリストの多田文明氏は「そういう電話への対応としては、相手の名前と所属、連絡先を聞いて『確認してこちらから電話する』と伝えること」とコメントした。
詐欺の手口は日々巧妙化しており、新手の投資詐欺も増えている。パッと見では判別できない著名人になりすましたアカウントがSNSで拡大している。
熊本市の60代女性は、4月に投資詐欺で約380万円をだましとられた。きっかけは著名人が映ったYouTube。「お友だち登録したい方は下へ」というリンクをクリックしたところ、LINEグループのトーク画面に移り、男女が十数人に対して銘柄選びのアドバイスをしていた。
後日、実在する大手資産運用会社の社員を名乗る男がメールで数百万円の投資や口座開設を勧めてきた。勧められた銘柄を380万円で購入し、言われるままにアプリをインストールして、入金した380万円を確認すると約720万円に増えていた。利益分を引き出そうとしたところ、あれこれ理由をつけてほとんど応じられなかった。さらに1200万円追加投資するよう勧誘が続き、1カ月後にはLINEグループが解散されていた。YouTube自体が偽物、損益確認していたアプリも偽物、LINEグループはサクラだ。多田氏は「犯罪グループは相手の資産状況や境遇を正確に読み取る。その人に合った話で誘導してくる」と話す。
人気グループが多く所属するSTARTO ENTERTAINMENTがX(旧Twitter)の本社があるアメリカの裁判所に発信者情報の開示命令の申し立てを行ったところ、73のなりすましアカウントのうち、35のアカウントはバングラデシュから発信されていたという。あるアイドルグループのファンは東京ドーム公演の動画を見られると思ってクリックすると、クレジットカード登録の画面が出てきたと言い、これは典型的なフィッシング詐欺の手口だ。
地方局の女子アナウンサーのなりすましアカウントも多く、フォローした人に投資を勧誘するメッセージが送信された例も多数見られた。読売テレビの西尾桃アナウンサーは「偽アカウントは消しても消しても出てくる」と話した。