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広島・新井監督、早くも長期政権確定? 負傷者続出も2位ターン、“やりくり上手”な手腕に球団首脳も満足か

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新井貴浩監督(写真は現役時代)

 開幕前の下馬評を痛快なまで吹き飛ばした。

 前半戦を5連勝で締めくくり、2位で折り返すこととなった広島。6月の半ばまでは主にBクラスに位置していたものの、現在は首位阪神と1.0ゲーム差と、夏場を迎え一気に上昇気流に乗った。

 今季より指揮を執っている新井貴浩監督の手腕が、現在の好調を生み出していることは言うまでもない。球団OBであり、2018年を最後に現役を引退後、翌年からは主に評論家として活動、現場での指導経験のないまま、昨季終了後より古巣の指揮官を任せられている。2023年シーズン開幕を迎え、圧倒的に広島の下位予想が多かった中、新人監督は今や、首位の座を窺えるほどの戦いを繰り広げている。

 開幕4連敗と、スタートでつまずいたものの、その後すぐに5連勝と盛り返し、3・4月を五分の星で乗り切ると、現在まで月間での負け越しがないままオールスターブレイクに。この間、開幕から主軸に据えてきたマクブルームが不振に陥り、また昨季まで守護神として君臨した栗林良吏や、今季、首位打者争いを演じてきた西川龍馬が怪我に見舞われるなど、投打の主力プレーヤーが戦列を離れている。しかし、新たな守護神として矢崎拓也を起用、ラインナップも試合毎に細かく組み替えを図るなど、新井監督の「やり繰り上手」さにより、大崩れすることなく現在に至っている。

 打線では、4月より1番で固定され安定したバッティングを続けていた菊池涼介を、西川離脱後に4番を任せるなど、周囲を驚かせる采配も披露。負傷者に悩まされながらも、ベテラン、若手に様々な役割を与えながら前半戦の最後の5連勝に繋げ、今季最多の9つの貯金を積み上げた。

 さらに、今月18日には広島の松田元オーナーが、ここまでのチームの成績を称え、新井監督の手腕を高く評価したとのニュースも報じられている。現在、新井監督は歴代監督と同様に単年契約を結んでいる中で、オーナーからは「最低5年は考えている」と長期政権を示唆する声もあったという。

 現役時代の最後の3シーズン、リーグ3連覇を経験し、主力として貢献してきた新井監督。その後、チームは優勝から離れているだけに、再び黄金時代を築くべく、現場復帰最初のシーズンでのペナント奪還を見据えている。評価が高まり続ける新人監督に率いられ、広島は好調を維持しながら後半戦に挑む。(佐藤文孝)

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