報道によると、朝乃山は治療により左腕の状態が上向きになったことから、師匠・高砂親方(元関脇・朝赤龍)と話し合いの上再出場を決断。19日に応じた取材では「最初に比べると痛みもない。ここまで番付を戻した。このまま休んで下がるのと、出て負けて下がるのでは違う。少しでも、一勝でも多く勝ちたい」と意気込みを口にしたという。
朝乃山は15日の7日目、今場所3敗目を喫した関脇・豊昇龍戦で相手の投げをこらえた際に左腕を痛め翌日から途中休場に。ただ、休場後も部屋の朝稽古には参加しており、19日も時折左腕を気にしつつも、腕立て伏せや若い衆への胸出しなどを精力的に行っていたという。
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朝乃山の再出場に、ネット上では「ここから再出場するのは無茶しすぎでは?」、「怪我悪化のリスクもあるのに強行出場するのか」、「休んだままでも十両に落ちたりはしないのに」、「勝ち越し狙いつつ負け数を抑えたいってことか?」といった驚きの声が寄せられた。
「今場所を東前頭4枚目で迎えている朝乃山は、18日の10日目時点での勝敗が『4勝4敗2休』。千秋楽まで休場すると『4勝4敗7休』と7つ負け越しになり、9月場所で前頭10枚目前後まで番付を落とすことが濃厚です。一方、20日の12日目からの再出場で1勝でも挙げればその分、番付の下落は抑えられますし、4戦全勝なら勝ち越しで逆に番付上昇の可能性もあります。朝乃山としてはこのまま休むよりは、再出場してやれることをやった方が今後につながると考えたのでは。また、今場所は右肋骨骨挫傷により初日から休場していた大関・霧島が4日目から再出場し、10日目時点で『4勝4敗2休』と勝ち越しへ向け奮闘しています。この霧島の存在も再出場判断に影響した可能性もゼロではなさそうです」(相撲ライター)
19日の取材では「いろんな意見があると思いますが、自分で判断して決めたからには覚悟を持って土俵の上に上がりたいです」とも口にしていたという朝乃山。不退転の決意は吉凶どちらに転ぶのだろうか。
文 / 柴田雅人