今回のような未成年者による覆面強盗事件は、昭和時代にも多数発生している。1987年、東京都練馬区の一般住宅に黒いビニール袋で覆面をした男性2人組が侵入した。手には刃渡り20センチほどのナイフを持っており、家主の女性に「金を出さないと殺すぞ!」と叫んだという。
男達は女性を自転車用のゴム紐で身体を縛り、財布や金庫から現金10万円ほどを奪うと、「警察に連絡したらこの家を放火する」と叫び、電話回線のコードをナイフで切断した。
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強盗の逃走後、女性はゴム紐から抜け出し、近隣住民に助けを求めた。しばらくして、警察がやって来て状況証拠などが収められたのだが、強盗達はとんでもない証拠を残していた。なんと、廊下には泥付きの強盗が履いていた靴の跡がくっきりと残っていたのだ。
足の大きさから、犯人は大の大人ではなく、高校生から中学生程度の子どもの仕業である事が疑われ、警察は近くに住む中学二年生の少年2名を犯人として逮捕した。中学生2人は容疑を認めており、「遊ぶ金が欲しくてやった」と自供した。
靴の一件は中学生らしい失敗であったが、他の作戦に関しては大人顔負けであり、犯行の数日前からは近くの公園でわざわざ野球をし、「ボールが入り込んだ」と家の庭に入り込み、犯行計画を練るという現役の中学生にしか出来ない下見を行っていたという。
下見・覆面と用意周到な強盗計画だったが、思わぬところで「足が付いた」形となった。