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「おぐらが斬る!」神奈川県知事選に見る投票する人がいない問題

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現職の黒岩祐治氏に新人3人が挑んだ神奈川県知事選挙は、自民党・公明党・国民民主党が推薦した現職の黒岩祐治氏が4回目の当選を果たした。

開票結果は以下の通り。

・黒岩祐治、無所属・現。当選。193万3753票。
・岸牧子、無所属・新。65万1473票。
・大津綾香、政治家女子・新。15万1361票。
・加藤健一郎、無所属、新。12万3922票。

投票率は40.35%と過去2番目に低かったとはいえ、県民の判断は圧倒的に黒岩氏であった。

今回、選挙の直前になって大本命の黒岩氏に過去の不倫騒動や、黒岩氏が相手女性に送った下ネタメールまで白日の下にさらされた。そのカッコ悪いこと。黒岩氏は即行で不倫を認め、謝罪した。

過去の不倫が明らかになったとき、神奈川県知事選を辞退するかという話もあったが、このとき黒岩氏が【辞退】を選択していたら、どうなっていたのだろうか?

もし黒岩氏が選挙直前に辞退していたら、2番目に得票数が多い岸牧子氏(共産党推薦)が新知事になった可能性が高い。少なくとも残りの2人よりマトモそうだ。

無所属新人の加藤健一郎氏は政見放送で

「日本の大学にはスパイ研究室を作るべき」
「最近は県内の大学でも、1年間のモラトリウム(猶予期間)があり、海外でボランティアに行けるようになったが、案外、裏社会や外人部隊に体験入隊したり、女子は吉原で勉強するのも有効でしょう」
「私は電磁波攻撃の被害者です」

などなど香ばしいことを主張していた。

政治家女子48党(旧NHK党)の大津綾香氏は、元NHK党首の立花孝志氏により、選挙直前の4月6日付に除名されている。その理由は、党の口座から「資金約9000万円を不正に引き出そうとした」というもの。

一方の大津氏は「立花氏らによる党資金の不明瞭な流れがあった可能性がある」と、調査を始めるとし、除名を認めていない。

このどちらが本当なのか、あるいは立花氏一流のトラブルを起こして注目を集める作戦なのかは、いまのところわからない。

今回県民は、黒岩氏を選んだわけだが、もしかしたら誰も選びようがないひどい立候補者しかいない選挙区もあるかもしれない。そのとき投票者は白票か、あるいは投票をやめるべきなのであろうか?

今回、黒岩氏のスキャンダルでそのことが、いままで以上に現実味を帯びたように思う。

選挙はゴミの中から使えそうなものを選ぶ作業と言われるが・・・ 使い物にならないゴミだらけだったらと思うとぞっとする。今後、問題のある政治家を、もっと気軽にリコールできるようにしたほうがいいのかもしれない。

プロフィール

巨椋修(おぐらおさむ)
作家、漫画家。22歳で漫画家デビュー、35歳で作家デビュー、42歳で映画監督。社会問題、歴史、宗教、政治、経済についての執筆が多い。
2004年、富山大学講師。 2008~2009年、JR東海新幹線女性運転士・車掌の護身術講師。陽明門護身拳法5段。

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