問題となっているのは、「2-0」とソフトバンク2点リードの6回表1死でのこと。打席の柳田は、オリックス先発・田嶋大樹が初球に投じたカーブをスイング。ピッチャー返しとなった打球は田嶋のグラブを弾き、一、二塁間の中央付近へ転がっていった。
慌ててボールを追った田嶋は身をかがめて捕球しようとしたが、ほぼ同じタイミングで柳田は一塁に向かってヘッドスライディング。捕球した田嶋が一塁を振り向いたところでベースに到達し、余裕を持ってセーフとした。
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柳田は滑り込んだ後すぐに立ち上がると、防具を外しながら一塁コーチャーと談笑するなどどこか痛めた様子は特になかった。ただ、ネット上には「どっか怪我しそうで見てられなかった」、「去年のトラウマ蘇るからマジでやめろ」、「気持ちは買いたいけど勘弁してくれ、またチームに迷惑かける気か」と肝を冷やしたファンのコメントが多く見られた。
柳田は昨季4月5日・オリックス戦で二塁にヘッドスライディングした際に左肩を負傷。同戦は試合終了までプレーを続けたものの、翌6日に左肩腱板炎と診断され、7~25日まで一軍を離脱する結果となった。昨年と同時期、同カードだったということも、今回のヘッスラに心配が相次いだ一要因となっているようだ。
「柳田はプロ1年目の2011年から昨季までに『.315・238本・770打点』といった通算成績を残しているチームの絶対的主砲。しかし、今季は4日試合前時点で『.182・0本・0打点』とサッパリで、迎えた試合も6回表の第3打席までノーヒット(四球、一ゴロ)でした。本人としてはどんな形でもいいので1本ヒットを出し、復調の足がかりにしたいという強い気持ちがあったのでは」(野球ライター)
6回表のソフトバンクは柳田のヘッスラで1死一塁となった後、栗原陵矢が3号2ランを放ち追加点を奪っている。主砲の泥臭いプレーには栗原も感じるものがあったようだ。
文 / 柴田雅人