この3連戦とも試合序盤からブルペンに入り、早めに一度は肩を作るなど中継ぎとして待機。登板機会は一度だけとなったが、26日には正式に一軍入りがアナウンスされた。このタイミングでの昇格は、一軍での戦力として開幕を迎えることを意味した。
昨年は一昨年よりも大きく足を上げ下げする2段モーションでためを作るフォームで挑んだが、今年はスムーズな、流れるようなフォームに変更。オフには外苑のトレーニング施設で研鑽を積んだことで、1月後半には早くも140キロ後半を出すなど順調に調整し、25日は最速148キロのストレートで押していた。先発では3巡目あたりに捕まるケースが課題だったが、短いイニングで出力を上げる中継ぎのポジションではその心配はなく、ハマっていく可能性もある。
現在ベイスターズのブルペン左腕は、鉄腕エドウィン・エスコバーは勝利の方程式の一角として存在するが、昨年前半を中心に機能していた田中健二朗は肉離れのためファーム調整中。長年腕を振り続けた砂田毅樹は京田陽太とのトレードでドラゴンズに移籍したこともあり、オープン戦では昨年支配下を勝ち取った石川達也がひとり奮闘している状況だった。ロングリリーフも期待できる坂本裕哉は、盤石のブルペン陣に新たな風を吹かせる存在となりそうだ。
取材・文・写真 / 萩原孝弘