昨シーズンファームで105回2/3を投げ防御率2.90と結果を残しながらも、一軍ではわずか1試合の登板に終わってしまい、結果も3回3失点で降板とじくじたるシーズンとなってしまった。しかし今シーズンはキャンプから一軍に同行し、最後まで完走した。開幕ローテーション争いに名乗りを上げるかと思いきや、2月26日のオープン戦でコントロールが乱れ二軍落ちとなってしまった。
しかしこの日はストレートの最速は144キロでほぼ140キロ前半止まりながらも、100キロにも満たない大きなカーブで打者を幻惑。ストレートと球速帯の近いカットボール、曲がりの大きいスライダーとたまに投じるチェンジアップも効果的で、3回3奪三振わずか34球の省エネピッチングは、先発として理想的な内容だった。
2021年、開幕してから勝ち星に見放され続けた9戦目、自身のプロ初勝利とともに三浦政権初となる勝利の“ダブル立役者”となり、前半戦8試合登板で2勝3敗の成績をマーク。後半戦へ向けたオリンピックブレイク中、8月5日に函館で行われたエキシビションマッチで自身最多の122球の力投後右肘に違和感を訴え、9月9日にクリーニング手術を敢行しそのままシーズンを終えた。リハビリは順調と語っていたが、昨年はチームに貢献はできなかった。
悔しい思いを胸に飛躍を誓った2023年。今のところ開幕ローテーションは実戦の結果から、石田健大、濱口遥大、ロバート・ガゼルマン、平良拳太郎、東克樹らが有力候補として名前が挙がっている。しかしエース・今永昇太はWBC招集、大貫晋一は右肩肉離れと昨年の11勝コンビは開幕不在となっている。
一度はそのレースから外れてしまったが、一軍で上茶谷大河が結果を残せなかったこともあり、まだまだ確定はしていない状況だ。勝負の高卒6年目。まずは開幕一軍をめざし、結果だけを追い求めていく。
取材・文・写真 / 萩原孝弘