そんな竹中の熱演ぶりを表すエピソードとして、第1話の「秀吉ポロリ事件」がある。第1話の後半、秀吉は後に自身の名参謀となる蜂須賀小六(演:大仁田厚)と出会い、喧嘩になる。だが、この時点では只の農民である秀吉は太刀打ちできず、蜂須賀に殴られてしまうシーンがある。この時、秀吉は上半身裸、フンドシ一丁という姿だったのだが、蜂須賀が秀吉を持ち上げるシーンでなんと、秀吉のフンドシから陰部がバッチリと見えてしまったのだ。
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通常であれば撮り直しとなるカットであるが、なんとNHKはこの問題のシーンを修正せずに放送してしまったのだ。当然、視聴者からは「秀吉のフンドシから見えてはいけないものが!」「あれは本当に○〇○〇だったのか?」「見間違いだったのか」といった問い合わせが多数来ていたという。
これに対し、NHK側は「放送前から気付いていた」「時代劇ゆえにモザイクを入れるのは不自然と思い、そのままにした」と発表。また、竹中本人も「ポロリしていたのは気が付いていた」「秀吉はキチっとフンドシを締めないと思い、ワザと緩めた」とある意味、確信犯的な演出である事を告白。現場での「熱意」を優先し、何も処理せずに放送したというのだ。
今なら確実に撮り直しになるであろうハプニングだが、視聴者からのクレームよりも竹中直人の熱の入った演技を優先させた、なかなかにアッパレな采配であった。