確か、第2クール2日目の2月5日にもシャッターが下ろされたが、その時は凡ミスが続き、指揮官は憤怒したと記憶しているが…。
「対外試合も始まっています。サインプレーの練習をするというよりは『できるヤツ』と『できないヤツ』を分けるためでしょう」
阪神OBのプロ野球解説者がそう言う。
また、岡田監督は同日午後、メイングラウンドで行われた内野陣の挟殺プレーの練習を見守った後、「もうちょっと、縛って(しばって)打たそうかなとは思っている」と話していた。
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「縛って」とは、右方向への進塁打やバント、エンドランなどのサインのこと。23日の中日との練習試合より、ベンチから攻撃面でのサインを出すと宣言したのだ。
もっとも、こんな声も聞かれた。
「ここまで対外3試合を行い、2勝1分け。3試合で28得点も挙げているんですよ。まだ2月ですし、打撃好調なら、しばらくは自由に打たせても良いのでは?」(ベテラン記者)
19日の韓国・サムスンとの練習試合も「10対0」で大勝した。「自由に打たせても」の意見があるのも当然だろう。しかし、この大勝劇には“ウラ”があったのだ。
「サムスンには、元阪神の呉昇桓(オ・スンファン)がいました。試合前、顔見知りの阪神スタッフやコーチと談笑しており、『今日は勉強させてやってください』とも伝えていたんです。19日に投げたサムスン側のピッチャーは開幕一軍をめざす格下ばかりだったんです」(関係者)
楽天戦で投げてきたのも、「これからの投手」だった。岡田監督はチームの現状に満足していないのだろう。
「指揮官のご機嫌を損ねているのは、外国人選手たちですよ。期待のノイジーが左腰を痛めてリタイアし、先発ローテーション入りさせる予定で獲得したB・ケラーも大幅に調整が遅れています」(スポーツ紙記者)
B・ケラーは20日に打撃投手として登板している。打者11人に投げ、2四球を記録した。その2四球だが、前出の関係者によれば、「クイックモーションで投げさせたら、制球が乱れ始めた」とのこと。日本球界でクイックモーションができないとなれば、試合で使うことはできないが、B・ケラー本人は「日本人のペースが速いだけ。開幕までまだ1か月もあるのに」と、マイペースを崩そうとしない。
新人・森下翔太(中央大)、4年目の井上広大の打撃が好調なのがせめてもの救いか? ノイジー、B・ケラーの今後次第では開幕オーダー、先発ローテーションともに“純和製”となる可能性も出てきた。
「岡田監督は、外国人選手にあまり恵まれていないと言うか、政権下で活躍した外国人選手は少ないんです」(前出・プロ野球解説者)
レギュラーを予定していた選手に何かあった場合、岡田監督は「次は?」と担当コーチに質問するという。代役の選手名を即答できない時、厳し目のお説教もするそうだ。
今がその真っ最中である。「サイン野球」に切り替えたのは堅実に1点を取るためで、投打ともにパワーで圧倒できる外国人選手が「アテにならない」と悟ったからではないだろうか。(スポーツライター・飯山満)