井上はこの日2回裏2死の第1打席は右飛、6回裏1死一塁の第3打席では中飛とそれぞれ凡退。一方、4回裏1死一、三塁の第2打席では右犠飛をマーク。7回裏1死満塁の第4打席では142キロストレートを強振し、左翼席へ飛び込む満塁ホームランを放った。
チーム総得点の半分を1人でたたき出した井上だったが、試合後に取材に応じた岡田監督は「直球を仕留めてほしいよな。注文付けるとしたらそこ。一軍の速い150キロを一発で仕留めてくれたら、言うことないけどな」とコメント。今回捉えたような半速球ではなく、150キロ超の速球を弾き返せるようになってほしいとダメ出ししたという。
>>阪神・佐藤、打撃フォームに異変発生? 球界OBの指摘に心配の声、「岡田監督の指示のせい」と指摘も<<
岡田監督の発言を受け、ネット上には「満塁弾打ったのに評価厳しすぎでは」などと疑問の声が上がった。一方、中には「これ岡田さんわざと言ってないか?」、「井上の反骨心を煽ろうと意図的に注文つけてる感がある」、「一軍定着への愛のムチだろうな、主戦投手は150キロバンバン投げてくるし」、「ダメ出し受けた井上が結果出す流れに味を占めたか?」といった推測のコメントも見られた。
「井上は1日のキャンプインから一軍に同行している右の大砲候補ですが、ここまでは岡田監督から厳しい評価を受けた後に好結果を残すという流れが続いています。13日の紅白戦では変化球を軽打しタイムリーを放った打撃を同監督に『外のボール、ちょこんと当てやがって。ああいう打ち方いらん』と酷評されるも、2日後の15日・楽天戦では変化球を強振し3ランをマーク。同監督はこの3ランも『変化球すっぽ抜けやろ。そら打ったことは良かったけど』と手放しでは褒めませんでしたが、井上はめげずに19日の試合で直球を満塁弾にするなど好アピールを見せました。このこともあり、岡田監督は褒めるよりもしかる方が井上は伸びると考え、あえて厳しい評価を続けているのではとみているファンも少なからずいるようです」(野球ライター)
19日の試合後は「開幕スタメンが目標。もっとアピールできるように」と全く浮ついた様子は見せなかったという井上。厳しい視線を注ぐ岡田監督に今後もアピールを続けられるかは要注目だ。
文 / 柴田雅人