石川慶氏が監督を務め、妻夫木聡、安藤サクラ、窪田正孝が出演した「ある男」は優秀作品賞、優秀監督賞、優秀脚本賞、優秀主演男優賞、優秀助演男優賞、優秀助演女優賞などを受賞。
「月の満ち欠け」は優秀作品賞に加え、大泉洋が優秀主演男優賞、目黒蓮が優秀助演男優賞と新人俳優賞、有村架純が優秀助演女優賞に輝くなど、計10部門で11の賞を受賞。「ハケンアニメ!」は10部門、「シン・ウルトラマン」は8部門で受賞した。
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「『ハケンアニメ!』と『シン・ウルトラマン』はほかの映画賞ではあまり名前があがっていないにもかかわらず、多くの部門の賞を受賞した。松竹と東宝の配給作品で、投票するアカデミー会員は両社の社員が多いから仕方ないが、今年はやたらと松竹作品の受賞が目立った」(映画業界関係者)
もともと、同賞をめぐっては選考が不明瞭なこともあり、過去に北野武監督が、「日本アカデミー賞最優秀賞は松竹、東宝、東映、たまに日活の持ち回り。それ以外がとったことはほとんどない。(賞を選定する)アカデミー賞の会員なんてどこにいるんだ。汚いことばっかやってる」と批判し物議を醸したことがあったが、その傾向は改善されつつあったという。
「最優秀作品賞は20年が『新聞記者』、21年が『ミッドナイトスワン』、昨年が『ドライブ・マイ・カー』でいずれも独立系でそれぞれ複数の最優秀賞を受賞。ところが、今年は北野監督の指摘通りになってしまった。独立系の話題になったりヒットした作品が少なかったのもそうなった要因なのだが……」(映画担当記者)
玄人好みの映画ファンにとっては残念な結果になりそうだ。