12球団大トリ、3年連続年越し交渉となったオリックス・山岡泰輔投手が近日中に契約更改の席に着くと語ったのは、1月21日だった。
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同日、山岡が大阪・舞洲の球団施設にやって来た目的は、自主トレ。キャンプイン直前となってもまだ契約更改を終えていないため、在阪メディアは「見掛けたら、必ず」と気構えていたのだ。
しかし、当の山岡は至って冷静だった。
「代理人(弁護士)を通してだけど、色々と話をして来たようです。ここまで契約を保留してきた理由は『金額』ではないようですし」(在阪記者)
ピッチャーとは“デリケートなタイプ”が多いという。今回、契約更改に時間が掛かったのは、山岡が“ピッチャーらしい性格”をしているからとも解釈できる。
「昨年度も契約更改が年越しとなってしまいました。更改後の会見で、21年シーズンは、先発なのか、リリーフなのか、起用法がはっきりしなかったことを挙げていました」(前出・同)
自身の立ち位置が分からなかったのだろう。
21年シーズンは右ヒジを痛め、9月には患部にメスを入れている。同年の日本シリーズでは“救援勝利”を挙げたが、契約更改が年越しとなってしまった。
「先発なら(山本)由伸に追いついて、追い越せるぐらい頑張りたい。中継ぎなら7、8、9回を任せられるように」(2022年1月26日)
更改後の「先発、リリーフのどちらでもやる」のコメントから起用法に不満がないことは明白だった。しかし、「キャンプ、オープン戦を見て首脳陣が判断する」の“正論”と、「調整が異なるのでハッキリしてほしい」の“デリケートさ”が平行線を辿り、山岡が納得するまで時間を要してしまったのだ。
今回も“自身の立ち位置”のことで、確認したいことがあったそうだ。
その詳細はやはり契約更改後に語られるようだが、気になる情報も聞かれた。
昨秋の日本シリーズ第4戦だ。山岡は先発マウンドを任されたが、5回投了、勝利投手の権利獲得まで「あと2人」という場面で交代を告げられた。
救援投手を労うように迎えたが、マウンドを下りる際、自虐的な笑みも浮かべていた。
「昨季はコロナ感染離脱もあり、不本意な成績(6勝8敗)に終わりました。もっと遡れば、昨季開幕は期間限定ながらリリーフでスタートしています」(選出・在阪メディア)
改めて、自身の評価を聞きたいとの思いが抑えられなかったのかもしれない。
「先発に専念させてくれと、考えているのかもしれません」(球界関係者)
日本一となった勝因は投手継投策だ。しかし、日本シリーズの流れを引き寄せたのは山岡が先発した第4戦だった。勝利投手の権利を目前にしての交代は“つらいもの”があったはずだが、契約更改と同時に気持ちも切り替えてもらいたい。山岡には投手陣のまとめ役としての期待も寄せられているそうだ。(スポーツライター・飯山満)