昨年、ブレイクスルーを果たした側面を「良くなった理由をフィードバックしてみると、キャンプ中に真っすぐに対して投げ込んで低めに行くようになった分、変化球もそこから落ちた」と自己分析。最速153キロ、投球の約60パーセントを占め、なおかつ被打率は.187と球界トップクラスの質を誇るストレートのブラッシュアップが成功の秘訣と振り返った。
今シーズンも「もう一回、イチからになりますけど確認して『強い真っすぐを投げる』からやっていって、そこから変化球を」と段階を踏みながら調整していくと明かした。また昨年は小谷正勝コーチや木塚敦志コーチと相談の上、ブルペンで150球もの投げ込みを敢行したが「去年やらせてもらって良かったので、今年もタイミング見て100球近く投げて、投げて疲れる日を作る。そこで得るものが去年あったので、それをもう一回やろうと思います。投げていけば良くなるタイプだと自分でも分かり出したので」と、経験に基づいた調整法を踏襲していくとした。
当面の目標は「キャンプ終わってオープン戦にはしっかりとしたパフォーマンスが出せるように。去年は5月くらいからやっと良くなったので、それが4月アタマからいけるように調整したいです」と開幕からエンジン全開で臨むと意気込んだ。
どうしても気になる登板過多について「1〜2年目も1軍では三十数試合の登板でしたが、2軍を含めれば登板数はあまり変わらない」と意に介さない。日付ベースでの連投13回、3連投も1回とフル回転したが「むしろポジションを固定していただいた分、意外に疲労を感じていません」とセットアッパーとしての地位を確保したことのメリットの方が大きかったようだ。
「代わりのパーツとしてハマれるように準備してきたので、それができたことが去年一番うれしかった」と、山崎康晃、エドウィン・エスコバー、平田真吾が3連投の7月9日、1試合クローザーとして試合を締めた試合を述懐した剛腕。数多くのチーム内ライバルとの競争を勝ち取り、いつかは9回のマウンドで仁王立ちしてみせる。
取材・文・写真 / 萩原孝弘