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益子は、体罰が当たり前だった自身の子ども時代の体験を踏まえ、約8年前から「監督が怒ってはいけない大会」を開催。スポーツ界の教育のあり方に一石を投じる活動を続けている。壇上でトロフィーを受け取ると、「この活動は来年の1月で9年目。私自身、怒られることが当たり前の中でやってきて、自分になかなか自信を持てなくなっていて、『この活動は本当に合っているのか』『大丈夫なのか』と軸が定まらない中、続けてきました」と活動を回顧する。
スポーツの世界で教育方法を見直す活動を行うことには、反対意見も多く出たとも振り返り、「『益子がそんなことをやっているから、バレーボールはダメになるんだ』ってネガティブな意見も多くいただきました。でも、ポジティブな『続けてほしい』という声もいただいて続けることができました。子ども達の楽しそうな笑顔を見て、この活動をしてきて良かったなって思います」と感慨深げにコメント。「私はこの活動を他の競技にも広めたいなと思っています。子ども達の未来のために、この活動をまだまだまだ続けていきたい」と今後の活動にも意欲を見せた。
プレゼンターには、男子バレーボール元日本代表の川合俊一が駆けつけ、益子の受賞を祝福。川合は「高校時代から彼女を見ていました。(当時のバレーボール界は)殴られたり罵声を浴びせたり、そういうことが当たり前の時代でした。今は時代も変わって『体罰はダメ』『暴言も吐いてはいけない』となりましたけど、それでもまだまだはびこっている。体罰を受けた指導者はそのやり方しかわからない。指導者のせいで夢を絶たれる子どもを出してはいけない。スポーツは楽しいなって、子ども達が笑顔でやれるものにしてほしい」と益子の活動にエールを送った。
この日は益子のほか、堀由美恵(ボディボード)、鈴木武蔵(サッカー)、川崎フロンターレ(プロサッカーチーム)、森山直太朗(アーティスト)も受賞。会場には「HEROs アンバサダー」を務める中田英寿(サッカー)、五郎丸歩(ラグビー)、井上康生(柔道)、大林素子(バレーボール)ほか、北澤豪(サッカー)、須藤元気(レスリング)、野村忠宏(柔道)も出席した。
※文中敬称略
(取材・文:名鹿祥史)