政治家の泥酔エピソードは数多くあるが、群を抜いていると言えるのが、農水大臣などを務めた中川一郎衆議院議員だろう。中川氏は「北海のヒグマ」のあだ名の通り、豪傑な人物として知られた。
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中川氏は酒好きで知られ、酔っ払うと財布を芸者たちに投げて「好きなだけ持っていけ」と言うなど、破天荒なキャラクターとして知られる。太っ腹な部分があるため人望も厚かったようだ。そんな中川氏には悪癖もあった。それは酔っ払うと所構わず小便をするものだ。周囲が慌てて止めて、なんとかトイレへ連れて行ったという。
さらに、中川氏はあろうことか、国会の敷地内で立ちションをしているところを写真週刊誌の『FOCUS』(新潮社)に撮られてしまったこともある。記者の直撃を受けると、自身が北海道の開拓農家出身である点に触れ、畑ではいつものやっていることといったコメントで、あっさりと事実を認めたという。ここからも豪傑なキャラクターが窺える。
中川氏には、鈴木宗男参議院議員が長らく秘書として仕えていたことでも知られる。さらに、中川氏は1983年に札幌市内のホテルで死んでいるのが発見される。心労を重ねての自殺と見られている。57歳だった。
中川氏の死去後の選挙では、秘書であった鈴木氏と長男の昭一氏が同じ選挙区(当時は中選挙区)に出馬し、骨肉の争いを繰り広げた。
その昭一氏は、2009年2月にはイタリアのローマで酒に酔っているかのようなもうろうとした状態で記者会見を行い、財務大臣を辞任に追い込まれる。さらに政権交代が起こった同8月の選挙では落選。同10月には自宅で倒れているところが発見され、死亡が確認される。56歳であった。くしくも父親に近い年齢で亡くなってしまった。