1981年から90年まで、10年に渡って放送された『ビートたけしのオールナイトニッポン』(ニッポン放送系)では数多くの毒舌が飛び出したが、このほかにも問題発言がある。ゲーム業界のタブーを犯してしまった「犯人はヤス」事件がそれだ。
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1986年1月の放送で、人気ファミコンゲームの「ポートピア殺人事件」をその場でプレイしながら実況する企画が行われた。今なら「ゲーム実況」はネットの人気コンテンツだが、音声のみのラジオで伝えようとするのはなかなか斬新な試みではあろう。
番組では、ビートたけしが思わず「犯人はヤスなんだよな」とつぶやいたという。このソフトは推理ゲームであり、ヤスは主人公の相棒。いわば「真犯人が身近にいた」ドンデン返しの設定が用意されていたが、それがたけしの一言で露わになってしまったのだ。
犯人を明かしてしまうのは完全なるネタバレであり、ゲーム業界ではタブーとも言える行為。さらに、たけしは意地悪で話したわけではなく、さりげない一言を発してしまった。
たけしのフレーズは「犯人はヤス」として、現在もネットで語り継がれるフレーズとなっている。ネタバレを意味する言葉としても使われることがある。
さらに、ソフトを実際にプレイしたことがなくとも「ポートピア殺人事件の犯人はヤス」は広く周知されることになった。この事件をきっかけに、ソフトの売り上げが上がったという話もある。
『ビートたけしのオールナイトニッポン』は数々の伝説を残したが、「犯人はヤス」もその一つと言えそうだ。